今日くらいお昼寝させてよぉ…。
「ねぇ雪暁ちゃん、今日って予定空いてる~?」
「空いてる…けどぉ、寝たいかも…」
「ほんっとに、雪暁ちゃんって睡眠欲強いよね~」
「うん…私でも不思議なくらい…」
…というか今もすっごく眠たい。寝たい。
「ちゃんと寝てるの?」
「うん。今日もバッチリ8時間寝た」
「…のに眠いんだ」
「そうなの…」
友達とそんな他愛もない話をしていると、スマホに通知が入る。
『雪暁、仕事入ったよ』
「…はぁ~~~~…」
「ん?どしたの?」
今日くらいお昼寝させてよぉ…。
■
『…雪暁、準備は?』
「できてるぅ…けどぉ、眠い」
『仕事中に寝ないでよ?』
「分かってるけどぉ…」
眠いものは眠いんだ。ちゃちゃっと終わらせて昼寝しよっと…。
『…多分そこから見えると思う。流石に写真は覚えてるでしょ?』
「覚えてる。いくら眠くても仕事だから」
『ま、寝たいのは私も同じよ。どこかの誰かさんのせいで徹夜する羽目になったんだから』
「それはごめんって。別にゆっくりでも良かったんだよ?」
『それはなんか嫌だったから』
「そう…」
そんな会話をしながら、ターゲットと距離を詰めていく。静かに殺すのも、騒ぎを起こすのでもどっちでもいい。
っていうか早く終わらせて寝たい。
人通りは多くも少なくもない。人は居るけど、誰も注視してない。
私はターゲットの真後ろについて、サプレッサー付きの拳銃でターゲットの背中に銃弾を2発撃ち込む。
『…死亡確認っている?』
「さぁ、要らないでしょ」
『…多分今日のお仕事は終わり。もうちょっとしたらそっちに迎えが着くと思う』
「うん、丁度今来た」
私の目の前に停車した車の中に乗り込む。
「お疲れ様、イーグレット。…アイビスの方が良かった?」
「どっちも違うし…それに、その名前はもう使ってないから、ナブロ」
「へぇ、また名前変えたんだ」
「足が着いたら色々大変でしょ」
「警察組織に恩を売りまくってるのに?」
「一部のまともな連中がね、追いかけてくるの」
「そんな事で恩を使いたくないって事?」
「そーゆーこと。着いたら起こして。私それまで寝るから」
「はいはい、おやすみ」
そんなナブロの言葉を最後に、私は睡魔に負ける。
■
「ほら、着いたよ。いい加減起きて」
「……ん」
「よく眠れたかい?」
「…車の中は寝心地最悪…横になって寝たい」
「はぁ…ちゃんと布団で寝たいのね」
「うん、そう」
そんな事をナブロと話しながらマンションの一室へと向かう。
鍵を開けて、玄関の中に入る。
「たっだいまぁ」
「ん、おかえり雪暁」
「うん、ただいまブラン」
「布団はもう準備してるから、お好きなように寝て」
「分かった。それじゃあブランも一緒に寝よっか」
「は?」
「いやぁ、丁度抱き枕が欲しかったんだよね」
「いやいやいや、なんで私?ナブロいるじゃん」
「流石に男と一緒にベッドに入るのは嫌だよ」
「…まぁそれは…そうだけど」
「そう言うわけだから、一緒に寝ましょうね~」
「あっ!ちょっと手引っ張らないで!分かった行く!行くから放して!」
私はブランの手を引っ張って、ブランの部屋に向かう。
「すぅ~…はぁ~…落ち着くぅ~…」
「ブランもなんだかんだ言って寝るの好きだよね」
「そりゃそうだよ。私は雪暁とは違ってオールウェイズ眠たい訳じゃないけど」
「ふ~ん」
「興味なさそ」
「そりゃぁ、ブランの事は興味ないけどさ」
「…なんかそれはそれで嫌かも」
――――――――
作者's つぶやき:久々のSS集更新ですね。
きっと雪暁さんの職業は殺し屋でしょう…多分。
イーグレット、アイビス、ホーク、etc…。
名前をころころ変える雪暁さんでありました。ま、実力は確かです。彼方くんには遠く及びませんけど。
雪暁さんが殺し屋してる理由って、何なのでしょうかね。お金が稼げて楽しそうだから、そんな理由でしょうかね。
人を殺すのは良くないって?それを殺しが本職の人に言っちゃあだめですよ。
――――――――
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