今日くらいお昼寝させてよぉ…。

「ねぇ雪暁ちゃん、今日って予定空いてる~?」

「空いてる…けどぉ、寝たいかも…」

「ほんっとに、雪暁ちゃんって睡眠欲強いよね~」

「うん…私でも不思議なくらい…」

 …というか今もすっごく眠たい。寝たい。

「ちゃんと寝てるの?」

「うん。今日もバッチリ8時間寝た」

「…のに眠いんだ」

「そうなの…」

 友達とそんな他愛もない話をしていると、スマホに通知が入る。

『雪暁、仕事入ったよ』


「…はぁ~~~~…」

「ん?どしたの?」

 今日くらいお昼寝させてよぉ…。



『…雪暁、準備は?』

「できてるぅ…けどぉ、眠い」

『仕事中に寝ないでよ?』

「分かってるけどぉ…」

 眠いものは眠いんだ。ちゃちゃっと終わらせて昼寝しよっと…。

『…多分そこから見えると思う。流石に写真は覚えてるでしょ?』

「覚えてる。いくら眠くても仕事だから」

『ま、寝たいのは私も同じよ。どこかの誰かさんのせいで徹夜する羽目になったんだから』

「それはごめんって。別にゆっくりでも良かったんだよ?」

『それはなんか嫌だったから』

「そう…」

 そんな会話をしながら、ターゲットと距離を詰めていく。静かに殺すのも、騒ぎを起こすのでもどっちでもいい。

 っていうか早く終わらせて寝たい。


 人通りは多くも少なくもない。人は居るけど、誰も注視してない。

 私はターゲットの真後ろについて、サプレッサー付きの拳銃でターゲットの背中に銃弾を2発撃ち込む。

『…死亡確認っている?』

「さぁ、要らないでしょ」

『…多分今日のお仕事は終わり。もうちょっとしたらそっちに迎えが着くと思う』

「うん、丁度今来た」

 私の目の前に停車した車の中に乗り込む。

「お疲れ様、イーグレット。…アイビスの方が良かった?」

「どっちも違うし…それに、その名前はもう使ってないから、ナブロ」

「へぇ、また名前変えたんだ」

「足が着いたら色々大変でしょ」

「警察組織に恩を売りまくってるのに?」

「一部のまともな連中がね、追いかけてくるの」

「そんな事で恩を使いたくないって事?」

「そーゆーこと。着いたら起こして。私それまで寝るから」

「はいはい、おやすみ」

 そんなナブロの言葉を最後に、私は睡魔に負ける。



「ほら、着いたよ。いい加減起きて」

「……ん」

「よく眠れたかい?」

「…車の中は寝心地最悪…横になって寝たい」

「はぁ…ちゃんと布団で寝たいのね」

「うん、そう」

 そんな事をナブロと話しながらマンションの一室へと向かう。


 鍵を開けて、玄関の中に入る。

「たっだいまぁ」

「ん、おかえり雪暁」

「うん、ただいまブラン」

「布団はもう準備してるから、お好きなように寝て」

「分かった。それじゃあブランも一緒に寝よっか」

「は?」

「いやぁ、丁度抱き枕が欲しかったんだよね」

「いやいやいや、なんで私?ナブロいるじゃん」

「流石に男と一緒にベッドに入るのは嫌だよ」

「…まぁそれは…そうだけど」

「そう言うわけだから、一緒に寝ましょうね~」

「あっ!ちょっと手引っ張らないで!分かった行く!行くから放して!」

 私はブランの手を引っ張って、ブランの部屋に向かう。


「すぅ~…はぁ~…落ち着くぅ~…」

「ブランもなんだかんだ言って寝るの好きだよね」

「そりゃそうだよ。私は雪暁とは違ってオールウェイズ眠たい訳じゃないけど」

「ふ~ん」

「興味なさそ」

「そりゃぁ、ブランの事は興味ないけどさ」

「…なんかそれはそれで嫌かも」


――――――――

作者's つぶやき:久々のSS集更新ですね。

きっと雪暁さんの職業は殺し屋でしょう…多分。

イーグレット、アイビス、ホーク、etc…。

名前をころころ変える雪暁さんでありました。ま、実力は確かです。彼方くんには遠く及びませんけど。

雪暁さんが殺し屋してる理由って、何なのでしょうかね。お金が稼げて楽しそうだから、そんな理由でしょうかね。

人を殺すのは良くないって?それを殺しが本職の人に言っちゃあだめですよ。

――――――――

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