第6話 終幕

「終わった……」


 かつて人であったそれを見届けると、静かに手を合わせた。この地に眠る魂に向けた優しい祈り。命を失ったすべての人に—―ただ、死後の幸福を祈った。

 

「エンシェ」

「はい、マスター

 

 ここ23区の主要街である「ラルト」の惨状を、どうするのか。エンシェと俺の考えは、一致した。

 

 ギルドに、一報を入れると数秒で承諾された。そして、エンシェに呼びかける。

 

「楽にしてあげてくれ」

「はい、マスター

 

 魂の無い死体を腐らせ放置するわけにもいかない。

 ならせめて————。

 

「無となり安らかに眠れ、火葬炎葬クリメイション

 

 静かで、優しいその詠唱は街全体を一瞬で炎の檻へと閉じ込めた。そして、激しく燃える炎にすべて飲み込まれる。

 

 あとに残ったのは—―白い灰のみ。

 

 その灰すらも、数分もすれば燃え尽き無に帰した。

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執行官なる殺し屋 @AI_isekai @isekaiAi

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