「数学界のキュクロプス」 レオンハルト・オイラー

 第3回はスイスが生んだ天才数学者レオンハルト・オイラー先生です。


 まず、名前がかっこいいですよね(汗)


 彼は当時から、「数学界のキュクロプス」と呼ばれ賞賛されていました。


 「キュクロプス」はギリシャ神話に登場する一つ目の巨人、英語では「サイクロプス」と発音されます。


 ゲームのドラゴンクエスト・シリーズなどで有名ですね。


 オイラー先生は数学の研究に没頭するあまり片目を失明し、ついで両目とも光を失ってしまいました。


 そこから偉大な巨人という尊敬と畏怖の念をこめ、「キュクロプス」と呼ばれたわけです。


 おもな功績として、やはりというかニュートン先生らが発見した微分積分法のアップグレードに多大なる貢献を果たしています。


 特に「解析力学」と呼ばれる、のちに「量子論」を「量子力学」に肉付けするために使用される高等数学の発展に寄与している形です。


 念のため、「高等数学」とは「大学で習う数学」の定義です。


 高校までに習う数学は「初等数学」としてあつかわれます(ひえ~っ!)


 物体の時間における変化におけるエネルギーの変化を求める「オイラー・ラグランジュ方程式」、多次元における座標変換のために用いる「オイラー角」など、彼に由来する数学の概念には枚挙にいとまがありません。


 非常に多産型の数学者であり、まさに人生を数学の研究に捧げたお方です。


 「神の実在を数学で証明する」とかいう漫画みたいな荒業も行使しております。


 「この世で一番美しい数式」として有名な「オイラーの公式」を導き出しました。


 「ネイピア数」(自然対数の底)、「虚数」そして「円周率」が一体となったアレですね。


 物理学における「アインシュタインの公式」と並んで知られています。


 オイラーはスイスのバーゼル出身ですが、大学生時代にやはりスイスの数学者で当時ヨーロッパ大陸の数学界に君臨していたヨハン・ベルヌーイに見いだされます。


 そしてその子息であるダニエル・ベルヌーイと知り合い、いっしょに仕事をすることになったのです。


 ダニエルの功績として有名なものは、流体力学における「ベルヌーイの定理」が挙げられます。


 「トイレのドアを開けたとき、となりのトイレのドアが閉まる」アレです(たとえが貧困で申し訳ありません)


 気体や液体の「圧力」や「速度」にまつわる仕組みですね。


 「水道管の管が細くなると、その中を流れる水の速度は増す」という「トリチェリの原理」も、ベルヌーイの定理から導かれます。


 また、バイクやカーレースが好きな方は、「ピトー管」というものを聞いたことがあるでしょう。


 要は「速度計」ですね。


 あの原理を発見したのはアンリ・ド・ピトーという人ですが、この仕組みもベルヌーイの定理で説明することができます。


 だいぶそれてしまいました。


 ちなみにヨハン・ベルヌーイの兄ヤコブ・ベルヌーイも高名な数学者です。


 弟・ヨハンが提示した、あのガリレオ・ガリレイがかつて間違えたという問題に解答を与えたひとりです。


 それは「最速降下曲線問題」(ブラッキストクロン)と呼ばれるもので、答えは「サイクロイド」という特殊な曲線になります。


 ガリレオは「円弧」としていて、これは正確には誤りであったのですね。


 これを導き出すことができたのは、出題者であるヨハンを除けば、たったの4人となります。


 上記のとおりヤコブのほか、ドイツのゴットフリート・ライプニッツ、フランスのギヨーム・ド・ロピタル、そしてイギリスのアイザック・ニュートンです。


 ニュートン先生にいたっては匿名で解答したのですが、ヨハンいわく「この獅子の爪跡を見ればヤツの仕事であることがわかる」とバレてしまったそうです。


 バケモノ?


 ロピタルは大学受験数学の「禁じ手」として有名な「ロピタルの定理」の人ですね。


 ヤコブはヨハンに対抗し、上記の問題の解法にさらなるアップグレードを与えました。


 のちにそれをオイラーが改良し、「変分法」という新しい数学技法が生まれています。


 やっと先生に戻ってこれました(汗)


 やはりというか書いていたらキリがありません。


 最後に、オイラー先生は家族に看取られながらこの世を去ったのですが、その今わの際の言葉が、


「死ぬよ」


だったそうです。


 神?


 人生何周どころか、実は異世界転生してきた人だったとか?


 そう言われても疑わないくらいのヤバい天才です。


 つい書きながら熱くなってしまいました。


 今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。


 またネタを思いついたら投稿してみます。


 ではでは~。

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理系のすごい人を中二っぽく紹介するエッセイ 朽木桜斎 @kuchiki-ohsai

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