第6話 進化と別れ

 リーダーのホブゴブリンが言った言葉に、俺はびっくりして言葉が出なかった。


 「ああ、きづかれてないと思った?逃げ出そうとしていた事」


 「まあ、そうだね」


 俺はなるべく気を付けていたはず。


 何で分かったんだ。


 「戦闘中にも言ったが、俺は君の事が好きなんだよ。好きならどんな事をしているのかとか気にならない?」


 ずっと見られていたのか。


 きづかなかった。


 「まあそんな所だよ。群れの連中はさっさと子供を産ませて、群れを大きくしたいって考えだから、その事が何となく嫌だったのもあるんだよ」


 そんな事を考えていたんだ。


 「だからさ、早く進化してにげなよ」


 「ありがとう。色々と」


 「気にしないで。ただの自己満足の為だからさ」


 何だろうね、この気持ち。


 前世では感じた事のない気がするよ。


 「本当にありがとうね。また会えたら、何か恩返しするから」


 「ああ、さっさとしてから何処かに行け」


 何なんだろうね、この気持ち。


 進化するか。


 《進化先は3つです。

  ホブゴブリン

  ゴブリンの正統進化個体

  ゴブリンから能力が向上しており、特に知能が高まる

 

  小鬼

  ゴブリンの派生進化個体

  鬼の因子が反応し始める


  レッサーヴァンパイア

  ゴブリンの特殊派生進化個体

  吸血鬼の因子が反応し始める


  以上となります》


 ここは小鬼にするか。


 そう思うと進化が始まった。


 力が漲ってくるように感じる。


 そして目線が高くなっていっている。


 進化した事で身長も伸びたかな。


 少ししたら進化が終わった。


 ゴブリンの時は10歳位だった身長が、今は13歳位になってそうだな。


 それと同時に胸が大きくなった気がする。


 映像とか子供の頃ににしか見た事が無かったが。


 まあいい、ステータスの確認するか。


 名前 なし 種族 小鬼 性別 メス level1/20

 HP30/30 MP20/20

 攻撃30 防御30 

 魔攻16 魔防16

 俊敏25

 スキル

 アクティブ

 鑑定level6 環境適応level3 跳躍level5 突進level5

 身体強化level6 咆哮level5 爪術level5 牙術level5

 気配感知level3 闘氣level1

 パッシブ

 悪食level6 聴覚強化level6 嗅覚強化level5 体力自動回復level4

 魔力自動回復level4 角強化level 火事場の馬鹿力

 固有スキル

 繁殖level2 

 ユニークスキル

 強奪

 耐性

 飢餓耐性level3 病気耐性level3 毒耐性level4 麻痺耐性level4

 称号

 異世界から迷い込んだもの 死線を潜りし者


 闘氣

 氣を操る事が出来る


 火事場の馬鹿力

 HPの3分の1以下になるとステータスが倍になる


 死線を潜りし者

 死ぬような経験をした者が獲得する


 ゴブリンとかと比べるとかなり強くなったな。


 それとスキルlevelが進化すると上がるのか。


 1度も使った事の無い繁殖が上がってるもん。


 スキルの確認をしたいが、今はお別れの時間だし後にするか。


 「じゃあまた、いつか会えたら恩返しするからね」


 「そうだな、気を付けろよ。世界は危険な事が沢山あるからな」


 俺はリーダーのホブゴブリンに別れを告げ、森に入っていった。

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魔物になったTS転生者 ハルジオン @haruharutubuan

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