僕の黒
@aoi-minato-book
1話 僕の黒
夏の暑い昼下がり、コツコツと階段を上る足音が聞こえてくる。窓を開けているので外の音が家の中まで聞こえ優子だとすぐに分かった。優子は同じ高校に通う3年生だ。1年生の時から同じクラスで仲良くし3ヶ月前に交際を始めた。「いやぁ部活疲れたぁ」そう言いながら靴を脱ぎ捨てると優子は居間へと入ってきた。「修斗さーこんな暑い部屋にいて死にそうにならないの?」確かに家はエアコンが無いので死ぬほど暑い。扇風機だけでは厳しい猛暑と言うやつだ。「しょうが無いだろエアコンが…っておい」まだ喋っている途中だと言うのに優子は靴下を脱ぐのに夢中で聞いていない。床にはよく分からないイラストの書いてある群青色の靴下が転がっている。どうして女子はこういうイラストの書いてある物を好むのだろう。「あっごめん!汗かいてるし脱ぎたくてさぁ」呆れた顔で修斗が言う。「そーですか、好きにしとくださいや」優子がマイペースで自由人な事は知っている。それよりも今日家まで来てもらったのには訳がある。交際を初めて3ヶ月、こっちも溜まっているものがあると言う事だ。お互い未経験で迎えた今日この日を待ち望んでいた。2人は寝室へ移動し電気を消すと行為はすぐに始まった。喘ぎ声、部活終わりの汗の匂い、絡ませてくる脚、どれも修斗を今までに無いほど興奮させた。行為が終わると優子はシャワーを浴び学校指定のジャージを着て家をあとにした。見送りをしたあとでふと考える。あらためて優子はとても可愛い。色白の肌にショートヘア、童顔で幼く見え背は150㎝位と小柄だ。これからもこの可愛い彼女と共に生きていこうと修斗は心に誓った。そう誓ったのだ、けれどその誓いが叶うことは無かった。こんな事になるなら………僕は一生許さない。あの事件もあれもこれも××のせいだ。
僕の黒 @aoi-minato-book
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕の黒の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます