町づくり開始
2024.8.20 誤字修正しました(ご報告、ありがとうございました)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おうちに戻ったらフィリーネもご両親のところから帰っていたので、早速町づくりやその後の生活を相談。
意外なことに、フィリーネも町に住むことに賛成だった。
どうも崖の家の周りには魔獣が多いみたいで、ご両親がなかなか外に出られないらしい。
滝つぼスライムを罠で狩ってるからある程度のレベルにはなってるみたいなんだけど、困ったことにエルフの主武器は弓矢。
森の魔獣を弓矢で狩っても、魔獣との距離があるから魔素の吸収が少なくて、なかなかレベルが上がらないらしいの。
しかもエルフとしての戦闘スタイルがすでに固まっちゃってるから、今更近接戦闘覚えるのも大変みたい。
だよねぇ。レベル一桁でも後半になると、スライムじゃなかなかレベル上がらないよね。しかもご夫婦二人分だし。
そこでフィリーネが考えたのが、私やフィリーネ、フランツが作る町への移住。
フィリーネが最初からエルフであること(もう精霊だけど)を明かして町づくりにがっつり協力すれば、町の人たちにエルフのご両親を受け入れて貰えるのではないかってことなの。
どうせ指揮執るのはフランツになるだろうし、作業員はフランツの元部下やシュトラウス領の人たち。
料理作って振舞えば、当たり前のように仲良くなれるはず。
そして小さな町になったところでご両親が移住しても、あとから来る町民に対しては先輩住民扱い。
狩りをして新鮮な動物の肉や毛皮を供給すれば、町に対しての必要性も上がる。
問題は言語の壁だけど、念話覚えればいけるんじゃないかな。
フィリーネも当然サポートするだろうし、何年も住んでたら自然と会話くらいできるようになる。
フランツと相談しなきゃダメだけど、なんとかなりそうな気がするよ。
集会で精霊のみんなにも聞いてみたけど、精霊の森に影響が出ないなら町を作っても問題ないそうだ。
それどころか、樹木の精霊たちが目を輝かせてるのが気になる。
近いからってほいほい行って、住民に見つからないでよ。
翌朝、ひとりで魔獣の森と平原との境界へ。
昨日の帰り道で見つけた岩山に来ました。
ここって、楕円形の岩山が平原から森に切り込むようにそびえてるの。
見た目はサンマリノのティターノ山みたいな感じなんだよね。
ほとんどが岩だから、ここなら削った岩を建材にしつつ、砦くらい建てられそう。
頂上を平らにして砦を建て、山肌を段々畑みたいに加工していけば、高さによる防壁がある町になるはず。
アクセスは尾根伝いに平原側に下るスロープ型の道を作って、最終地点を跳ね橋にすればいい。
ちゃんと計測して設計したいとこだけど、大きすぎて測るの大変そう。
だから現場で岩肌を加工しながら、状況に会わせて段々加工しよう。
むふ、なんかワクワクして来たぞ。
岩の強度調べるのに、ちょっと頂上を削ってみよう。
見た目や削った感じからすると、どうも安山岩っぽい。大昔は火山でもあったのかな。
安山岩だと固いし劣化もしにくいから、建材としてはちょうどいい。
ざっと岩山を見た感じは全部安山岩っぽいし、割れ目もほとんど無くて一枚岩みたい。
うむ、条件いいからここにしよう。
どうせ暇だし、頂上きれいに均しちゃえ。
1m角のサイコロ状に岩を切り出してどんどん他次元庫に放り込んでたら、なんと他次元庫の容量がいっぱいになったっぽい。
ぐぬぬ、無限収納とはいかないのね。
仕方がないから平らにした部分に山積みにしたら、なんか高層ビルみたいになった。
おおう、こんなにも入ってたのか。まだ予定の半分も削ってないのに。
某サンドボックスゲームは砂や砂利以外崩れたりしないけど、現実は崩れちゃうから上から徐々に平らにしていくしかない。爆破整地なんて無理だし。
こりゃ、整地に結構時間かかるぞ。
………ひたすら岩を切り出して、他次元庫がいっぱいになったら石材山積み。
延々と作業を繰り返してたら、石材高層ビルが五つも建ってしまった。
うん、もうそろそろ夕方だから、おうち帰ろう。
おうちに着いたら、速攻でフィリーネに丸洗いされた。
呼吸のために盾魔法の各所に穴開けてたから、結構盾魔法内にも粉塵が入り込んでたか。
石の粉って、耳や鼻の孔にも入り込むんだね。
洗うの大変だったよ。
お風呂を出てやっとさっぱりしたと思ったら、フィリーネからお説教された。
『普段着のまま、汚れの防御もせずに掃除を始めるんじゃありません』だって。
はい、その通りです。明日から気を付けます。
工事用に、三角巾やマスク、ゴーグル、かっぽう着作りました。
全部装着してみたら、フィリーネがすごく微妙な顔してた。
いや、工事用の作業着みたいなもんだから、可愛さを求めるのは止めてよ。
フィリーネは、フード付きのロングローブ着てた。
あ、そっちの方が耳まで隠れていいかも。ローブなんて普段は着ないから、その発想は無かったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます