アカリ姉様と頻繁に会える♪
アカリ姉様が、週に一回川傍の家に来てくれることになった♪
マギー姉様の成人のお祝いで一度来てくれたから、今度会えるのは何年も先のはずだったの。
だけどフランツ叔父様のお仕事を手伝うことになるかもしれないから、お手紙で連絡とるのに川傍の家を使うんだって。
アカリ姉様、デッキの柱に枝からぶら下がったおっきなどんぐりみたいなポストを取り付けてたんだけど、妖精さんのおうちみたいですごく可愛いい。
川傍の家には私しか来れないようになってるから、アカリ姉様に来たお手紙をポストに入れるのは私のお仕事。
今からすごく楽しみなの。
でもアカリ姉様が来たのは夜遅くだったから、私は寝ちゃいそうだった。
そしたら姉様は、川傍の家で私と一緒に寝てくれたの。
すごく安心できて、ぐっすり眠っちゃった。
朝起きてから一緒に朝食食べながらお話ししたんだけど、アカリ姉様、大人の姉様だけじゃなくて、違う女の人や猫さんにも変身できるようになってた。
姉様って、ほんとに何でもできちゃうなぁ。
だけどカグラって言う知らない女の人の姿で話されると、なんだかアカリ姉様じゃないような気がしてちょっと変な感じ。
でも、しゃべる猫さんはなんだかアカリ姉様っぽくって、触るともふもふしてて気持ち良かった。
ツェツィーの授業があるからお別れの時間になったけど、毎週来てくれるなら寂しくないよ。
元気にお別れしてツェツィーのお部屋に行ったら、いいことあったのかって聞かれちゃった。
でもツェツィーやお付きの人にはアカリ姉様が帰って来てるの内緒だから、猫さんに会って触らせてもらったって言ったの。
そしたらツェツィー、猫さん探しに行こうとしてお付きの人に止められてたよ。
ツェツィーは私がこっそりレベル上げしてるから、だんだんお人形の動かし方が上手になってきた。
お付きの人も上達が分かるからか、お人形遊びの授業は必ず受けさせようとするんだよね。
ツェツィーもお人形遊びは大好きだからいいんだけど、今日は猫さんの魅力に負けたみたい。
授業が終わったら猫さん探しに行くって言ってるけど、メトニッツでは外から来る人がごくたまに猫を連れてるだけだから会えないと思う。どうしようかな。
そうだ、ツェツィーもだいぶお人形動かすのに慣れて来たから、孤児院でのお人形劇の練習に誘ってみようかな。
あとでお付きの人に聞いてみよう。
今日のお人形遊びは、町でのお買い物。
ツェツィーはリスさんのお人形がお気に入りなので、お買い物は実際の木の実。
ドングリや栗の実、センダンやムクロジなんかを商品として並べてるんだけど、お買い物の仕方が面白いの。
『これをいただくわ、お屋敷に届けてくださる』とか言うんだよ。
お金を払って合計やお釣りを計算するのもお人形劇だから、その買い方はちょっと困る。
最初は『姫様にお金を支払わせるなどできません』ってお付きの人に言われたんだけど、これは遊びながら計算を覚える授業なんだからと許してもらった。
ただね、実際にお人形遊びを教えるようになって分かったことがあるの。
アカリ姉様って、お人形遊びにいっぱいためになることを取り入れてた。
お金の計算にしてもそうだし、相手を嫌な気持ちにさせない話し方や、身分違いの場合の対応なんかも覚えられるようになってたの。
しかも習う側が嫌にならないように、すっごく気を使ってたんだと思う。
最初に孤児院の子たちにお人形の操り方を教えた時に、いつも通りにお人形を動かしたら、できないって泣いちゃった子がいたの。
思い出してみたら、私も最初は全然動かせなかった。
だけどアカリ姉様は何とか私にもできる範囲での遊び方を考えてくれらから、私は嫌になったりすることが無かった。
しかも最終的にはこれくらい動かせるようになるって見せてくれたのは、まるでお人形が生きてるみたいだった。
だから私は、ひとつずつゆっくりと、しかも楽しくお人形遊びができてたんだって分かったよ。
自分が教える側になって、はじめてアカリ姉様のすごさが分かったの。
アカリ姉様は私にはできない色んなことができたから、単純に精霊様だからすごいんだって思ってた。
だけど姉様は、私との遊びにすらいっぱい考えてくれて、私が嫌にならないように、だけど姉様と同じことができるように教えてくれてたの。
たとえごく一部でも、精霊様と同じことが人間の私にもできるようにしてくれたんだよ。
しかも楽しく遊んでるだけで。
私のためにそこまでしてくれてたんだって思ったら、うれしくて涙が出ちゃったよ。
アカリ姉様、大好き。
だからツェツィーや孤児院の子に教える時は、アカリ姉様が私にしてくれたことを思い出して教えるようにしてるの。
当然まだまだ姉様みたいにはできないけど、姉様は精霊様の力なんて使わずに教えてくれたんだから、いつかは私にもできるはず。
周りの人たちが私の事をすごいって褒めてくれるけど、本当にすごいのはアカリ姉様だから。
アカリ姉様、私頑張って姉様みたいに教えられるようになるから、時々は会いに来て褒めてください。
そうしたら私は、もっと頑張れるから。
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