第16話 ダッシュ

○ダッシュ


 弥太郎は夕食を終えると一人で海に下りて居た。ヤマトが用意したエリとミクのシェア・ハウスの家は、小高い丘の上に在る一軒家だった。そこは、庭から遊歩道へと繋がって居て、坂沿いに遊歩道を下りて行けば、砂浜に出た。


 (何度来てもここは、良いところだよな〜)

 弥太郎は、ふとした時に立ち寄ってはこの海に出て考え事をするのだった。


 (俺がヤマトさんに認められることって何だろうなあ〜・・・?)

 弥太郎は初夏の空の下、夜空に煌めく満点の星々を見上げる。


 「トライくん?」

 ミクは弥太郎の後を追うようにして海へと下りて来たようだった。


 「ミク・・・?片付けは?俺も手伝おうか?」

 「ううん、いいの・・・そのことは」

 ミクは弥太郎の隣に座り込む。


 ”ザッザ〜ン・・・”


  ”ザッザ〜ン・・・”


 浜辺には次々と波が打ち寄せてくる。


  ”ザッザ〜ン・・・”


   ”ザッザ〜ン・・・”


 「ねえ?トライくん?」

 「ん〜?」

 「何を考えて居たの?」

 ミクは弥太郎の顔を覗き込む。


 「ああ、うん、俺・・・、ヤマトさんに認められるってどう言うことかなって・・・考えてた・・・」

 「お、お兄ちゃんに・・・?」

 ミクは近頃はヤマトのことを兄として呼ぶことが多くなって居た。


 (ヤ、ヤマトさんは・・・お兄ちゃんは、もう・・・トライくんのことは認めて居るんだけど・・・きっと。・・・でも、お兄ちゃんから見てもトライくんにはまだまだ発揮できて居ない才能が有るって言うか・・・そういう未知数なところを引き出したいだけなんだろうなあ〜って・・・。でも、これを言うとヤマトさんの親心?兄心?的なところを台無しにしてしまうから言えないんだけど・・・ど、どう言えば、いいのかなあ・・・?)

 

 「あ、あの・・・」

 ミクは、戸惑いがちに何かを答えようとする。


 「なあ?ミク?」

 「は、はいっ?」

 弥太郎はミクの返事を待たずに話を振る。


 「ヤマトさんってさあ〜?やけに”学生の身分”って言うじゃん?あれって何かあるのかな?」

 「が、学生の身分・・・?」

 「そう、それ。俺にもやけに言うじゃん?何かにつけて”学生の身分”で〜ってさ?」

 「ああ・・・うん。そ、それは・・・」

 「ミクは何か知ってるんだろう?」

 「え?えっと・・・、それはね・・・た、多分・・・なんだけど・・・?」

 「それって、聞いても良いのか?」

 「う、うん・・・た、多分・・・」


 ミクは、弥太郎に話す前に自らの過去を思い出す。

 

 (あれは、多分・・・)


 ミクの母親がまだ健在だった頃、ミクの母親はヤマトにミクを妾のように”仕える者”として紹介したことがあった。ミクの母親は、ヤマトの父親の妾ではあったけれども、その古い因習に従い自らの娘のことも主人に差し出そうとした。ところが、ヤマトの父親はミクには一目も触れずに突き返して来た。そこでミクの母親は古い因習をやり遂げようとしてヤマトにミクを紹介したのだった。


 (ヤマトさんは私のことを一目で気に入ってくださって・・・。因習では御法度だった妾の家族を正妻にすると言うことを・・・当時まだ大学生だったヤマトさんが公にしようとしたものだから・・・ヤマトさんのご家族がお怒りになって・・・それで、ヤマトさんに”学生の身分”では・・・って・・・ヤマトさんのお父様が・・・それを理由にして、ヤマトさんを説得をされて・・・)


 ヤマトは弥太郎と同じように大学生の時に、ミクと出会って居た。そして、また、弥太郎と同じようにミクを好きになり、一つの家族になろうとして居たのだった。


 (だけど、結局、ヤマトさんは・・・私の母親の遺書からDNA鑑定の結果が知らされて・・・私たちは兄と妹になったから・・・私たちは結ばれなくなって・・・。それで、ヤマトさんは、いつまでも”学生の身分”って・・・言っちゃうんだろうな・・・)


 ミクは、ヤマトと自らとの過去に切ない息を吐く。


 「ふう〜」

 ミクは一息を吐くと、弥太郎に言う。


 「えっと、あ、あの、トライくん?」

 「な、なんだよ?ミク?」


 「学生結婚ってどう思う?」

 「お、俺・・・?俺は、憧れるけど?ミクは?」

 「わ、私は・・・」


 (わ、私は・・・あの時、もしもヤマトさんのご家族が認めてくださったら、16歳になるのを待って、結婚になって居たはず・・・で、でも・・・もちろん、習わしに従えばそんな事は到底無い現実だった・・・)


 ミクは、その現実を想いながら言う。


 「わ、私は・・・何歳でも良いと思うよ・・・。二人の決心が固ければ・・・」

 「だよなあ〜?」

 「う、うん」

 ミクは遠く海を見ながら頷く。


 「結局、ヤマトさんのあれは、俺たちへの嫉妬・・・?当てつけってことで良いのかな・・・?」

 弥太郎は”ゴニョゴニョ”と一人で呟く。


 「フフフ」

 「な、なんだよ?ミク〜?」

 「う、ううん。トライくん、い〜っぱい悩んでるなあ〜って、思って」

 「な、悩むだろう?俺とミクのことだぜ?俺にとっては、いま、一番HOTで、大事なことじゃん?」

 「一番HOTで、大事なことなの?」

 「あったりまえだろう?これ以上があるかよ?」

 弥太郎は拗ねたように言う。


 「トライくん?」

 「なんだよ?」

 弥太郎はやけ気味に言う。


 「きれいだね?海・・・」

 ミクは弥太郎の手の平に自分の手を重ねる。


 (ミ、ミク・・・?)


 弥太郎はミクの手の温もりにミクの表情を見つめる。


 「トライくん・・・」

 ミクは弥太郎に振り向いて、お互いに見つめ合う。


 「ここで、しようか・・・?」

 「えっ!?」

 弥太郎は思わず後ろへと仰け反る。


 ”ギュッ”


 ミクは弥太郎の手を握り締める。


 「た、端末は・・・?お、置いて来たのかよ・・・?」

 「うん・・・」

 ミクは弥太郎の目を見ながら頷く。


 (ほ、本気なのかよ・・・ミ、ミク・・・?)

 弥太郎は”ゴクリッ”と唾を飲み込む。


 「ほ、本当に良いのか?ミク・・・?」

 「うん・・・」

 ミクは弥太郎に顔を向けたまま黙って両目を閉じて見せる。


 「ううっ・・・」

 (や、やばい・・・マ、マジ・・・可愛い・・・お、俺・・・ダメだ・・・止めらんねえ・・・)


 弥太郎はミクの手を”グイッ”と握りしめると、体を前に押し出す。


 ”チュウッ”


 弥太郎はミクの唇に吸い付く。


 「ミ、ミク・・・?」

 「うん・・・」

 ミクは目を閉じたまま頷く。


 (俺・・・、こ、このまま・・・)


 弥太郎はミクに甘いリードを許しながら、初めての夜を共にした。






             *






 次の日の朝、弥太郎は自らが借りて居るアパートのベッドで目を覚ました。


 「う、う〜ん・・・、お、俺・・・?」

 弥太郎は昨夜の出来事を思い返す。


 「お、俺・・・最後まで、やっちまたんだよなあ・・・?」

 弥太郎は夢では無いのかと両頬をつねる。


 「うっ、い、イッテ〜、やっぱ、マジだったわ・・・」

 弥太郎は嬉しくなって、端末に目をやる。


 ”おはよう?トライくん?目が覚めた?昨日は大丈夫だった?ミク


 「おお〜、ミクからのメッセージだあ〜♪」

 弥太郎は端末を両手で掴み上げると、ミクを抱くようにして抱きしめる。


 「くう〜っ、俺って、幸せ者だあ〜♪」

 弥太郎は端末にキスをするとミクへと返信をする。


 ”俺は平気 ミクは?大丈夫?”弥太郎


 ミクからの返信はすぐに届いた。


 ”うん 元気だよ”ミク


 ”俺 迎えに行こうか?”弥太郎


 ”大丈夫 バスで行くね”ミク


 ”分かった 大学で待ってる”弥太郎


 ”うん♪”ミク


 「いやっほ〜♪」

 弥太郎は飛び上がると出鱈目なダンスを決め込む。


 「お〜っし、俺も今日から、男だ〜♪ってことで、気合い入れて行くか〜、おっし」

 弥太郎はベッドから飛び降りると、居ても立っても居られずに、早々に着替える。


 「フンフンフンフ〜ン♪」

 弥太郎は鼻歌混じりにアパートの外階段を降りて行く。


 ”カンカンカンカンカツンカツンカンカン・・・”


 弥太郎の軽快な足音が外階段の踏み板を鳴らして行く。


 「ご機嫌だな?小僧?」

 

 ”カ、カツン・・・”


 踏み板のリズムが一気に崩れた。


 「え、え〜と・・・ヤ、ヤマトさん・・・?お、おはようございます・・・?」

 弥太郎は、急な展開にアパートの部屋に戻ろうとする。


 「待て」

 ヤマトは弥太郎の襟首を掴んだ。


 「なぜ、逃げる?」

 「べ、別に・・・」

 弥太郎は借りて来た猫のように縮こまる。


 「なんだ?何かあるのか?」

 「い、いいえ・・・」

 弥太郎は首を横に振る。


 「フンッ」

 ヤマトは弥太郎の襟首を放した。


 「ふう〜。って、な、なんっすか?こんな朝早くに〜?」

 「お前に用があってな?」

 「お、俺に〜?な、なんっすか?」

 「これをミクに渡しておいてくれ?」

 「ミ、ミクに・・・?な、なんっすか?」

 「忘れ物だ」

 「珍しいですねえ〜?自分では渡さないんっすか?」

 「下着だ」

 「し、下着ーっ!?」

 弥太郎は思わず鼻血が出そうに鼻の穴を押さえる。


 「なんだ?小僧?興奮するのか?」

 「す、するでしょう、ア、ア〜タ、す、好きな子の下着をいきなり朝から渡された日には!?」

 弥太郎は触れてはイケナイものに触れるように”アタフタ”する。


 「言っておくがな?」

 「は、はい・・・」

 「ミクの初めては、この俺だ」

 「え、えーと・・・な、何のお話でしょうか・・・?」

 「フンッ」

 ヤマトは怖い顔で咳払いをする。


 「それから、これだ」

 「な、なんっすか?」

 「我が社の関連企業の資料だ。お前、どこに就職するつもりなんだ?」

 「は、はあ〜っつ!?い、いきなり、なんっすか?な、なんで・・・?」

 弥太郎は口を”パクパク”させて驚く。


 「お前?3年次だろう?就職はまだ考えもせずなのか?」

 「お、俺・・・、そ、そうか・・・、も、もう3年生なんだ・・・」

 弥太郎は”ポカン”と口を開ける。


 「フンッ。そんなことで、大丈夫なのか?お前の将来設計は?」

 「そ、そんなこと・・・ヤ、ヤマトさんに、か、関係ないで・・・しょう?」

 弥太郎は逃げ腰で言う。


 「フンッ。ミクから手を引くと言うなら関係は”ま〜ったく”無いんだがな?」

 「そんな事あるわけないでしょう」

 弥太郎は”グイッ”と前に押し出る。


 「ミクと関係するなら、俺とも関係することになる。そう言うことだ、小僧」

 「ヘイヘイ、分かりましたよ〜」

 弥太郎は”ブツブツ”と呟く。


 





             *







  「トライくん」

  弥太郎の車が大学の学生駐車場に停まると、バス停から降りたばかりのミクが弥太郎に手を振る。


 「ミク〜、おはよう♪」

 弥太郎は車を降りるとミクに駆け寄った。


 「おはよう、トライくん」

 「おはよう、ミク」

 「ど、どうしたの?」

 「えっ?俺?」

 「顔が赤いよ?」

 「あ〜?た、多分・・・これだ・・・」

 弥太郎は恥ずかしそうにヤマトから預かったものを渡す。


 「こ、これ?」

 「あ、う、うん・・・ヤ、ヤマトさんから・・・ミクにって・・・」

 弥太郎は手を震わせながら”それ”を差し出す。


 「えーっと・・・?なんだろう・・・?」

 ミクは紙袋を受け取ると中味を覗き込む。


 ”ガサッ ゴソッ”


 「ミ、ミク・・・?こ、こんなところで・・・開けるのは・・・?」

 弥太郎は”ドキドキ”して辺りを見回す。


 「タオルだよ?トライくん?」

 「へっ?タ、タオル・・・?」

 「うん」

 「な、なんで・・・タオル・・・?」

 「さ、さあ・・・」

 ミクは袋の中からタオルを取り出して広げて見せる。


 「これ、ヤマトさんの会社の販促グッズね〜♪」

 ミクは黄色い生地にマスコット・キャラクターがプリントされたタオルを弥太郎に見せる。


 「ヤマトさんの関連企業って、たくさんのマスコットが居るんだけど、この”カミナリさん”って、一番人気があるみたいだよ?」

 ミクは嬉しそうにタオルを振りながら微笑む。


 「えっ?な、なんで、カミナリなんだ・・・?」

 「そ、そう言えば・・・そうだね・・・?」

 ミクはタオルを覗き込む。


 「電気でもやってるのか?」

 「う〜ん、どうだろう・・・?風神雷神かなあ〜?」

 「ヤマトさんの関連企業って、自然エネルギーもやってるのか?」

 「詳しいことは・・・よく分からないけど・・・」

 ミクは何とか思い出そうとする。


 「興味があるなら資料を貰って来ましょうか?」

 「い、いや。いい・・・」

 弥太郎は今朝、渡された資料の束を思い出す。


 「じゃあ、行くね?」

 ミクはタオルを弥太郎に渡すと”スタスタ”と先を歩き出す。


 「え?おいっ?ミク〜?こ、これって、ミクへの忘れ物じゃないのかよ〜?」

 「ウフフフ。きっと、違うと思うなあ〜」

 ミクは笑う。


 (えーっ・・・、ち、違うのかよ・・・。それにしたって、ヤマトさんの奴〜)

 弥太郎は揶揄われて居たことに気がついて、無性に悔しくなった。


 「くっそ〜」

 弥太郎は手にしたタオルを握りしめる。


 「トライく〜ん?どうしたの〜?始まっちゃうよ〜?」

 ミクは遠くから手招きをする。


 「い、いま行く〜」

 弥太郎はタオルを首に巻くと全力で走り出す。


 「な、なあ、ミク?」

 「ん?」

 「き、昨日のことって・・・ヤマトさんは知ってる訳?」

 「昨日のことって?」

 「だ、だから・・・その・・・あれだよ・・・海で・・・浜辺で・・・その・・・」

 「うん、もちろん♪」

 

 (えーっ・・・もちろんなのかよ〜・・・)

 弥太郎はうなだれる。


 「お兄ちゃんに隠し事なんて出来ないよ?わたしもすぐに言っちゃったし、ウフフフ」

 ミクは笑う。


 「そ、それでかあ〜・・・」

 弥太郎は今朝のヤマトの所業がようやく腑に落ちる。


 「トライくん?何か言われたの?お兄ちゃんに?」

 「えっ?いや、別に・・・」

 弥太郎はヤマトが言って居たことの中で、よく分からずに居た言葉を思い出す。


 (「ミクの初めては俺だ、ミクを知る最後はお前が成れ」・・・あれって、そう言うことだったのかあ・・・ヤマトさん・・・本当にミクのこと最期まで男として大切にしたかったんだなあ・・・俺、ヤマトさんのその気持ち・・・全力で受け継ぐよ。俺がミクを最後まで守り抜くから・・・)


 弥太郎は”グッ”と拳に力を込める。


 (そのためには・・・俺も・・・ヤマトさんみたいに何か仕事を身につけなくっちゃなあ・・・俺も幸せになって・・・周りも幸せになる・・・そう言う何かを・・・俺が出来ることで・・・)


 「よ〜っし」

 弥太郎は顔を上げて前を向く。


 「トライくん?」

 ミクは弥太郎の顔を覗き込む。


 「へへへ〜」

 「トライくん?」

 ミクは不思議そうに弥太郎を見つめる。


 「ミクは、さあ?俺にどうなって欲しい?」

 「えっ?トライくんに・・・?」

 「うん、そう♪」

 弥太郎は笑顔で言う。


 「う、う〜ん・・・考えたことなかったけど・・・」

 「考えてみた?」

 「う、う〜ん・・・、え、えっと・・・」

 ミクは弥太郎を見つめて言う。


 「やりたいこと、やってみて欲しいかな・・・」

 「やりたいこと?」

 「う、うん・・・や、やっぱり・・・やりたいことをやってみて欲しいの・・・」

 「そうなのか?」

 「う、うん・・・それだけが、望み・・・」

 ミクは照れくさそうに笑う。


 「うん、ミクにそう言われたら、俺、俄然やってみたいことがあるんだ」

 「何・・・?それって・・・?難しそうなこと?」

 「”キョウ”が遺したことさ」

 「お兄さんの・・・?遺されたこと・・・?」

 「ああ、”キョウ”が遺したスケッチを俺は完成させてみたい」

 「む、難しいの・・・?」

 「やってみないと分からないけど、俺、それを大学生活の最終目標にするって、いま決めた!」

 「う、うん、トライくん・・・、応援するね?」

 ミクは楽しそうに弥太郎の背中に回り込むと”グイグイ”と背中を押して行く。


 「な、なんだよ?ミク?」

 弥太郎は笑いながら後ろへ振り向く。


 「トライくんのこと押してるの♪」

 「そ、それは、分かってるよ、押されてるし?」

 弥太郎は笑う。


 「どんな時でも、背中は任せて?」

 「えっ?」

 「トライくんが振り向かなくても済むように後ろは任せて」

 ミクは背中から顔を覗かせて言う。


 「ミク・・・?」

 「失敗したり、落ち込んだり・・・後ろを向いてしまいそうな時・・・わたし、ちゃんと居るから・・・トライくんのこと・・・わたし、見てる・・・ずっと、応援してるから・・・」

 ミクは、”グイグイ”と背中を押す。


 「だから、最期まで渡り切って・・・トライくん・・・あなたが想う未来に・・・」

 「ミ、ミク・・・」

 「ウフフ・・・」

 ミクは弥太郎の背中を”ドンッ”と押すと前へと走り出す。


 「トライくん、置いて行くよ〜」

 ミクは前方で手招きをする。


 「お、おいっ、ミク〜?」

 弥太郎は転びそうになって、前屈みになる。


 (あ、あっぶね〜)


 弥太郎は姿勢を戻すとミクを振り返った。


 「ウフフ」

 ミクは嬉しそうに笑って居る。


 (俺が一生帰る場所・・・見つけた!)


 弥太郎はミクを目掛けてダッシュで走り出した。

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