眼底の泪

l'essentiel est invisible pour les yeux.

僕の視力は悪い

もうずっとフィルターを通して

世界を見ている

いつからか自分の目を信じられなくなった

確かに自分が見た物だ

だけど信用できない

現実感が足りないのだ

この手で触れたい

その温もりを感じたい

感触だけが本当の世界を見せてくれる

なのにやっぱり満たされない

世の中の「意識の世界」を知りたいと思った

奴はなぜ笑いながら心ない言葉を吐いている？

どうして彼女は好きな人と結ばれて涙を流す？

僕を怒鳴りつける父の声は「キレるぞ」と言う

僕の意識では正しく見ることができない

絶対的な正しさのない中で

僕を否定する者よ　君は何者なのか

何も分からない

虚無感が襲ってくる

嫌になる

どうせ何も理解できないのに

なんでこの目は見続けるのか

込み上げたものを　飲み込んで　飲み込んで

それでも　目を潤す