孕み孕ませ……産み産まれ!女たちの恨みを買ってTS呪いで女になったオレが……妊娠させられて救国の子を産む母となる

楠本恵士

最低男には天罰を

 とある最低な異世界──リーダーが長期間留守にしているパーティーが、宿泊している宿の部屋で怒りの形相をした女騎士が、オレと向かい合って立っていた。


 女騎士は鞘から抜いた長剣を向けた。

 オレは、そんな美貌の女騎士に舌舐めずりをする。

「怒っている顔も可愛い……ますます、種付けしたくなった」

「黙れ! わたしはおまえに屈して、受胎させられてたりはしない!」


 オレが所属しているパーティーは、女性の比率が高い……ほとんど女性だけの、ハーレムパーティーといったところだ。

 こんなパーティー構成になったのも、男性リーダーの人徳のおかげだ。

 リーダーは、性的にコトにはまったく関心がなく。

 国を救うことしか考えていない。

 それなのに、パーティーには女たちがリーダーを慕って勝手に集まってきて。

 こんなハーレムパーティーになった。


 姫巫女

 魔女

 女賢者

 女ヒーラー

 女戦士

 女騎士

 女僧侶

 etc


 全員が女性で、男はオレとリーダーと雑用係の男しかいない。

 少し前まで、聡明で未来視ができる男の術師が一人いたが。

 オレがパーティーから追放されそうになっていると、告げたその夜にオレに特殊なスキルを授けて自分からパーティーを去っていった。

 去っていく時、術師は一言。

「パーティーにいる魔女は、わたしの妹だ……手を出すなよ」

 そう言った。


 オレが与えられた特殊スキルは女を自由に孕ませられる『受胎』

 女は同意して種付けを望んで、オレに抱かれて孕まされる。

 自分で言うのもなんだが、オレみたいな性欲が強い女好きな最低男に、なぜ聡明な術師がこのスキルをくれたのかはわからないが……もらった以上は利用しない手はないから、使わせてもらった。


 オレの孕ませ餌食第一号は、高貴な生まれの姫巫女だった。

 リーダーを慕って城を出てパーティーに加わった。

 オレはパーティーが休息している泉の、離れた大岩のところに姫巫女を呼び出した。

「なにか、わたくしに御用でしょうか? こんな人目の無い場所に呼び出して?」

 おとっとりとした性格で世間知らずの姫に種付けできると思うと、オレの興奮は最高潮に達した。

「用があるか、人目が無い場所に呼び出したんだ……おまえが、オレの種付け第一号だ。これか。しっかり孕ませてやるからな」


「はい? いったいなにを言って?」

「オレの目を見ろ」

 オレはスキル『受胎』を発動させた。

 効果はすぐに現れ、姫巫女はスカートをめくり上げて、下着を見せながらオレに言った。

「わたくしの体に……種付けをして……孕ませてください」

 高貴な姫に種付けをできる日が来るとは。

 オレの顔に、自然と笑みが浮かぶ。

「そこまで、頼まれたからには……しっかり、種付けをして孕ませてやらないと逆に、姫サマに対して失礼だな」


 平らな岩の上に仰向けで横たわった姫は、自分から下着を脱いだ。

 少し紅潮した顔で、姫巫女が言った。

「種付けされるのは、初めてなので……優しくお願いします」

 オレは姫が望んだ通りの行為に及び、数十分後……種付けは完了した。


 平らな岩の上で呼吸を整えている姫巫女の下腹部が、見る間にプクッと膨らんできた。

 オレは膨張した姫の下腹部を撫で回して言った。

「喜べオレの子どもが宿ったぞ」

 随喜ずいきの涙を浮かべながら、姫巫女は微笑んで。

「ありがとうございます」

 と、言った。


  ◇◇◇◇◇◇


 その後もリーダーが留守なのをいいことに、オレはパーティー内の女たちに手当たり次第、受精を行った。

 基本的にはこのスキルは、女とは同意上で行為に及ぶが。

 中にはスキルの力に若干の抵抗を示す者もいた。

「イヤだよぅ、好きでもない男の赤ちゃんなんか孕みたくないよぅ」

 ケモノ耳の少女は、宿屋のベットの上で涙目で、オレからの受精好意を受け入れた。

「あぁぁ」

 ケモノ耳少女はフサフサの尻尾を振って、オレの体にしがみついた。

 ケモノ耳少女の腹がプクッと、膨らんでいくのをオレは見た。


 そして、オレは術師から止められていた、術師の妹の魔女にも手を出して、腹を膨らませた。


  ◇◇◇◇◇◇


 そして今、オレはリーダーを一番慕っていて忠誠心が強い、女騎士と宿屋の部屋で向かい合っていた。

 女騎士が剣の切っ先をオレに向ける。

「今すぐこの場で殺されるか、パーティーから去るか決めろ!」

「三つ目の選択肢もあるぞ、おまえがオレに抱かれて孕まされるのを望むという……選択肢がオレの目を見ろ」


「バカな、そんな選択肢は……」

 女騎士の手から剣が床に落ちる。

 女騎士は、オレの前にひざまづいて言った。

「わたしの体に種付けをしてくれ。この体をおまえの精で孕ませてくれ……頼む」


 オレは女騎士が望んだ通りに、半腰の姿勢で女騎士との行為に及び。女騎士の、鎖帷子くさりかたびらの下の下腹部がプクッと膨らんでいくのを、触りながら眺めた。


  ◇◇◇◇◇◇

 

 パーティーの女全員が、受胎腹になった頃──留守をしていたリーダーの男がパーティーが住処としている古城に帰ってきた。

 リーダーは、腹が膨れた女たちを見ると。顔面蒼白で激怒して、オレに向って幅広の剣を向けて怒鳴った。

「やっぱり、おまえは追放しておくべきだった! この場で殺してやる!」

 オレに斬りかかってきたリーダーの刃を横から受け止めたのは、オレの子を宿した女騎士だった。

 女騎士が唇を噛み締めながら言った。


「この男を殺させるワケにはいきません……お腹の子供を、父無し子にするワケにはいきません」

 オレが孕ませた、武術の心得がある女たちや、さまざまな術師の女たちが腹の子供のためにオレを守る。

 こうなるコトが、最初から分かっていたオレは高笑いをする。


「はははっ、形勢逆転の下克上だな……今日からオレが、パーティーのリーダーだ」

 オレは女たちに命じて、元リーダーを地下牢に放り込まさせた。

「身の程を知ったか、オレを追放しようとするからだ……さて、一眠りするかな」

 オレは自分の部屋にもどると仮眠した。


  ◇◇◇◇◇◇


 仮眠している最中、オレは香木の香りに薄目を開けた。

 オレのベットの近くに、オレが孕ませた魔女、姫巫女、女騎士、ケモノ耳少女が立って、オレを冷たい目で見下ろしていた。

(これは、夢か? 体が動かない)


 白日夢でも見ているような感覚の中、魔女が言った。

「殺しはしない、おまえは子供たちの父親だから……だから、おまえにも女の母性を味あわせてやる……女になって子を宿せ」

 魔女がオレの口に、小瓶に入った液体を注ぎ込ませる。


 体が熱くなった、オレの体に変化が起こる。最初に胸がプクゥゥゥと膨らみ、股間の男のモノが急速に縮小して消滅した。

 それと同時に、女の部分がオレの股間に生じる。

(体が急激に女体化している!)


 男の筋肉が削ぎ落ち、代わりに脂肪が増えて体が丸みを帯びる。

 この時になって、やっと体が動くようになった。


「なんだ、これは……ふざけるな! 男にもどせ!」

 オレの口から出た声は女の声だった。

 オレの体は完全に女体化した。


 女騎士が女になったオレの体を、魔法の鎖でベッドに縛り付けながら言った。

「この鎖は、おまえを心から愛して孕ませる男の手でしか外れない……魔女が術師の兄から聞いたそうだ。すべては未来視された計画……この国を救国するための」


  ◇◇◇◇◇◇


 その日の夕刻──オレがベッドに鎖で縛られた部屋に、オレを孕ませる男がやって来た。

 オレはやって来た男の顔を見て仰天した。

 部屋に来たのは地下牢に放り込んだ、リーダーだった。

 リーダーのすぐ後ろには、魔女と姫巫女と女騎士とケモノ耳少女が立っていた。


 小瓶に入った魔法薬をリーダーに飲ませながら、腹ボテの魔女が言った。

「さあ、リーダー……あのベッドで鎖に繋がれている女が、あなたが抱いて精を注ぎ込む女ですよ……思いっきり愛してあげてください、そして孕ませてあげてください」


 女騎士がオレに言った。リーダーに飲ませた魔薬は一人の女だけを心から愛する魔薬だと……そして、リーダーから愛されるのは、オレだと。

 近づいてきたリーダーが上半身裸になる、オレの視線はリーダーの体に引き寄せられる。

「あぁぁ、リーダー」


 痩身だが均整がとれた筋肉の男体……胸の筋肉や割れた腹筋がオレの目に焼き付く。

 今までリーダーの体をこんな、感情で見たことは男の時は一度もなかった。

(あぁ、リーダーの腕に抱かれたい)


 鎖が外される、女になったオレには部屋から逃げ出す気持ちは消えていた。

 姫巫女が言った。

「あなたは、子供を宿して母親になるのです……わたしたちと母性の気持ちを共有しましょう」


 ベッドで服を脱いだオレは、リーダーに向って女声で言った。

「オレを孕ませてくれ……リーダーの子供が欲しい」

 最初にリーダーは、紳士的にオレにキスをしてきた。

「んっ……んっんっ」

 男との甘美なキス。

 リーダーとオレは行為に及ぶ、オレがリーダーに抱かれている最中に魔女が言った。


「すべては、未来視した兄の計画……産まれてくる救国の子供を、父親が同じ、わたしたちの子供全員が助けて守る」

 ベッドに仰向けになって揺れるオレは、男に愛される女の幸せ……女になって男を愛する幸せ……そして。


 オレの腹がプクッと膨らむ、オレはリーダーの子を受胎した。

 オレは数十年後に、救国をする者の母親となって、男の心の深部に眠っていた母性を引きずり出された。

 子供を宿し、男に、愛される多幸感にオレの心は満ちた。


  ◇◇◇◇◇◇


 数日後の出産日を控え、椅子に座ったオレは至福の母性の中で、子供が宿った腹を服の上から撫で回した。

 オレの傍らには、オレだけに愛を注いでくれる、一途なリーダーがいる。

 オレの乳房の先端からは、母乳が滲み出しはじめた。


「もうすぐ、産まれてくるんだな……厄災から救国をするリーダーの運命の子供が……オレは母になるんだな」

 オレが女たちに、種付けをした子供たちも次々と産まれてきていて。

 パーティーはちょっとした分娩所だった。


 産着に包まれて赤ん坊をオレに見せながら、女騎士が言った。

「おまえが孕ませた子供だ……今朝、無事に産まれた。おまえは、このこの子の父親でもある」


 父であり、母でもある、不思議な巡り合わせの関係にオレは……パーティーを追放されかけていたコトなど、もうどうでも良くなっていた。


  ~おわり~

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孕み孕ませ……産み産まれ!女たちの恨みを買ってTS呪いで女になったオレが……妊娠させられて救国の子を産む母となる 楠本恵士 @67853-_-

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