緻密な人物描写に惹き込まれる本格サスペンス

この作品は、壊れた人間関係の繊細な描写が特に際立っています。

特にトラウマを抱える刑事・西島の葛藤と、天真爛漫な久住との関係が物語に緩急を与え、その対比によって連続殺人犯の猟奇性が一層際立っています。
しかし、物語全体に漂う底知れぬ不安と恐怖が、ささやかな安らぎさえも脆さ、危うさを予感させる。

何より作者の文章力によるスピード感と混沌は、サスペンスの教科書のようで、読み手に深い印象を残すとともに、書き手としては学びが多いです。

とにかく続きが気になる!

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