第7話 ……ね。どんなひと?





「……はい。じゃあ、このまま、仰向け。

 …………ゆっくり目を閉じて……」





(リラクBGM)





「ゆっくり、吸って……吐いて……」

「吐くときに、足の指の力を抜きます」



「吸って……吐いて……」

「吸って……、今度は、足の力を抜きます」



「足が床に同化していくように……」

「吸って……吐いて……」

「背中の力を抜きます、ゆっくり、ゆっくり、溶けるように……」



「吸って……吐いて……」

「肩の力を抜いて……腕の力を抜いて……だらんと身を委ねます」



「吸って……吐いて……」


「吸って……吐いて……」


「顔の力を抜いて……頭の先まで、意識に委ねます」






「あなたは、ふわふわとした心地よい光に包まれています……」



「あたたかくて……

 とろんと溶ける感覚に、もっと力が抜けていきます……」



「やがて、その光はゆっくりと下りて行き……

 優しい風を感じてうっすら目を開けました」




「あなたは、草原に寝転がっているようです……」



「自然の匂いがします……

 青々とした草の匂い。

 暖かい日の光。

 小鳥のさえずりが耳に心地いいです……」



(かさかさと草の擦れる音)

(小鳥の声)

(おだやかな風)



「そっと見回せば、綺麗な空と明るい森。

 あなたは、明るい森に引き寄せられるように立ち上がりました」



(立ち上がり、草を踏みしめる音)




「あなたは、ゆっくりと歩いていきます」


「森には細い道が伸びています」


「明るく、暖かい道です」


「嫌な気持ちはありません」



「あなたは、迷わず奥へ踏み出しました」




(土を踏みながら進む音)




「少し行くと、不思議な扉がありました」

「その扉は、あなたが開けるのを、今か今かと待ち望んでいるように感じます」



「そんな魅力に引き寄せられて、あなたはドアノブに手を伸ばしました」




「扉の向こうに広がっていたのは、あなたがいちばん安心できる場所」




「そこには、あなたを笑顔で迎え入れてくれる人がいます」


「あなたの大切な人がいます」


「そのひとが”おかえり”と笑っています」


「そのひとは、誰ですか?」








「……どんな、人ですか?」





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