第6話 いっぱい出たよ♡





(耳かき続行中)

(膝枕中)



(ふう────っ)

(耳に息を吹きかける)



「はーい、耳かきおしまい。」



(覗き込む感じで頭上から)


「……ねっ。

 気持ちよかった?

 いっぱい出たよ~!

 ほら、見て?

 やりがいあった♡

 またやらせてねっ」


 

(少しの沈黙……)



「……あれ?(動かないあなたに戸惑い)

 終わり……なんだけど、」



(ふふっと小さな笑い声)

「……おやぁ? 

 おやおやぁ?

 (楽しそうにからかう感じで)


 ひざまくら、気持ちよかったですか?

 ふふ、もっと甘えたくなっちゃった?」(お道化て)



 (さわさわと頭を撫でる音・髪の毛のこすれる音)



「……ん──……」

(照れと幸せをぎこちなく味わっている様子)



「……なんか、変な感じだね」

「君に甘えられるなんて」

(幸せと不思議が交じり合う声色)




「『恋人じゃないのにこんなことしちゃっていいの?』って思うけど、甘えたくなることもあるよね?」




「……君の顔見てればわかるよ」

 

「……疲れちゃった?」


「頑張ってるもんね、うん」


「解ってるよ、みてるから」


「よしよしって、してあげようか?」


「ふふ、『子供じゃない』って怒られちゃう?」


「もっと力抜いて生きていけたらいいのにね~」



(さらさらと髪を撫でる音がする)




「あ。(思いついたように)

 …………そうだ」

「ねえねえ。

 ちょっと目、閉じてくれない?」

(保母さんのような優しい声で)



「……変なことしーまーせーんーっ。

 あたしはしゃべるだけ(くすくす)」



「ちょっとね?

 最近瞑想にハマってるの。


 くらーい部屋で目を閉じて、

 力を抜いて、語り部の声に耳を傾ける。



 そうすると不思議とすっきりして、

 頭の整理になるしHPエイチピー全回復するって」



「あたしが語り部やるから、ちょっとやってみない? 気持ちいいよ」



「……だぁいじょうぶ。

 洗脳してツボとか売らないから(笑)

 サロンの勧誘するつもりもないし、インスタで儲ける情報商材売らな……」



「え? 

 『そんなのわかってる』?」



「……ぇ、そ、そぅ……(動揺)」


「さ、さいしょは、あんな、疑ってたのに、どーして……」




「……ふふ。

 『信じてるから』って

 ……なんかうれし……」



「……あーあ、なーんかっ。

 ほんとしんぱーい・・・・・、(笑)

 君、変な女にころっとだまされちゃいそうっ」



「よしっ。

 じゃあ、体力回復しよう!

 クッションの上に頭おいて、あおむけ……」




「んっ?」

「ちょぉっとおおー?

 (悪戯を見つけたように)


 今、なんて言ったのかな~?

 君~?


 『このままがいい、膝枕で』って(笑)

 聞こえたよー??


 もうっ、そんなに気に入った?

 あたしの膝枕(笑)」



「……ふふ」




「………………えっち♡」





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