第5話 何年してないの?






(リビングのドアを開ける音)



(はしゃいだ声で)

「さあさあ、こっちこっちっ」


 

(腕を掴む音)

(とたとたと足音が二つ)

(そこに座る音)

(ぺしぺしっと、膝を叩く音と共に)



「はい、ここここ。

 膝にごろーんってして?」



「そう! ひざまくら~!

 『膝枕させてっておねだり』~!」

 (じゃじゃーん!)




「あーもー、いいから、ほーらっ。

 それともなに? 

 あたしの膝枕じゃだめ?」



「『子どもじゃない』って、……ぷ!」



「(小さい子をあやすように)

 『よしよし~悲しかったね~、君はわるくないよ、なぁーんにも悪くない。なでなで~』……ってするんじゃないから、いいじゃない?(笑い)」



「……あれ? ちょっとがっかりしてる?

 もしかして──して欲しかった?

 ふふ、まさかそんなことないよね?」



「はいはい、ほらほらっ。

 膝枕と言ったらこれでしょ?


 みーみーかーきっ。(強調)

 みみかき、してあげる。」


(照れ笑い)



「うんっ、ほんとのおねだりは、それ。

 耳かきしたかったの」




他人ひとに耳かきしてもらうのって気持ちいいよね〜。一人暮らしじゃ自分でするしかないし、やってもらうのって頼める人が居ないと無理だし」




「……あたしね、むかし親によくやってもらったの。気持ちよくて、眠くなっちゃって、いつのまにか寝ちゃってた。


 まだ君のコイビトじゃないけど、なんか……

 疲れてるみたいだから、なんかしたくて」




(おねだり声で)

「ねえ、耳かき、させて?」



(優しい声で)

「だいじょうぶ、優しくするから」




(ゆっくりとした布スレの音)

(近づく)




「────……ふふ~(怪しげに笑う)」

「ふともも、きもちーでしょ(笑)」

「今、『ふぅ~』って息聞こえたもん。ちょっと味わってるヤツ(笑)」



「……えっち♡」



「ふふふ、はい。そのまま。

 動かないでね~?」


「はーい」


「耳、のぞきまーす。

 失礼しまーす」




(耳を軽く引っ張る音)

(カサっと音)


「わぁ………………」




(耳元で)

「……あっ」

「……やだ、どうしよう……」


「……んっ、おっきい」

「(……ごくっ)!」



「じゃあ、いただきます……!」




 (ずずっと耳にモノが入る音)

 (かさ、かさ、)




「痛くない?」

「大丈夫?」

「ちから、これくらいでいい?」


「あたし、してるとき独り言多いけど、気にしないでね?」



「うん、じゃあ、力抜いててね?」



(かさっ、ごそっ)


(ふぅ──と耳に息)




「んっ」

「んっ……!」

「ぁ、きもちい……!」



「溜まってるの綺麗にするの、好きっ……!」

「……はあ……♡ ご褒美~……♡」



「……わ。おっきぃ……」

「あっ、おっきい……!」



「ふぅ──」

「もうちょっと、うえっ」

「あっ、あっ」

「あっ、いけそっ」



「あぁ────……っ(甘い酩酊)」

「ナカっ」

「落ちちゃう、落ちちゃうっ」


「んっ。」

「もうちょっと、もうちょっと……!」


「だめっ」

「動かないでっ」

「だめだめっ」

「いまっ」


「あっ」

「したっ!」

「あっ、あっ。いかないでっ」



「んんんっ」

「ふう。ふう。もうすこし、もう少っ……!」


「あっ……!」

「……ああああああああ……!」(喜びの声)




「おっきい……!」

「おっきい……!」



「ほらみて? ねっ、すっごいの!」




(起き上がる音)



「もう、君、何年してないの?」

「凄いよ? すっごい溜まってる……!」


「見たら疼いちゃって……!」

「もっとするー♡」

「あたしが綺麗にしてあげる……♡」



「はい、もう一回ごろん。

 まだあるもん」

 



(ぺしぺし、と太ももの音)

(耳たぶを掴む音)

(先ほどと同じ方向から)

(かさ、かさ)

(ぬち、ぬち)





(ふぅ──と耳に息)

「…………はぁ…………っ」

「あっ」

「やだ、こぼれちゃっ」

「あぁん、いっちゃうっ」

「おちちゃっ、」

「あっ、ふぅー……」



「もうちょっとっ」



「あっ、こわい?」

「ふふ、だいじょうぶ、ちからぬーいて?」

「やさしくするね?」



「こしょこしょ、こしょこしょ……」

「さきっぽで軽くこすってっ……」



「あっ」

「あっ」


「んんんんんっ……!」



(ぬっっと抜ける音)

(ごそごそ音が抜ける)



「ほらぁ、見て! すっごいのでた!」

「みて! ねっ?」

「はぁ♡ きもちい────ッ……!」


「じゃあ、はんたい♡」

「綺麗にしてあげ……」



「気のせいかな?(笑)」

「なんか顔あかくない?」





「……ふふ(笑)」





「えっち♡」






つづき

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