花が咲いた



 その後後ろからものすごい視線を感じながらも朝の会は何とか終わった。

 次の二時間でやるオリエンテーションは学級委員を決めたりなどをするということらしい。


 そして、朝の会が終わったということはつまりそういうことになる。


「それじゃあ詳しく聞かせてもらおうか!」


 と後ろから声が聞こえた俺は全速力で逃げることにした。

 幸いにも足がそれなりに早いため、数分の逃走劇の末に何とか逃げることが出来た。

 健吾は疲れきった顔でゼーハーゼーハー言っていたがしばらくすると何かを思いついたのか気持ち悪い笑顔をしながら教室へと帰っていった。

 俺はその顔に嫌な予感はしているもののここで健吾に捕まって質問攻めにされるよりはまだマシだろうと思いそのままオリエンテーションの時間まで時間を潰し事にした。



 数分後、オリエンテーションの時間になり教室へと戻った俺は後ろにいる健吾を見たのだが、何故かすごい笑顔になっている。

 怖い。そしてすごく嫌な予感がする。だが、聞かれるのは嫌だしなぁ。


 チャイムがなり先生が

「よし、全員いるようだな。ではオリエンテーションを始める。最初は学級委員決めだ。

 この学校の学級委員は半年で交代する。後期からは成績なども考慮に入れるが今はまだそんなものは分からない。なので今回は昨日も伝えたが自薦推薦問わず誰でも構わない。

 ではまずは男の方から決めることにしよう。

 誰かやりたい人ややって欲しい人などはいるか?」


 と学級委員決めが始まった。


「ああ、言い忘れていたが、学級委員は主に先生の補佐や月に1度ある会議に出席したりするのが主な役目だ。

 簡単に言うとクラスを良くするための委員と考えてくれて構わない。」


 ということらしい。


 しかししばらく待っても男子は誰もやろうとしない。

 え?俺?もちろんやりたくなんてないよね。

 そんな感じで静まっている教室にひとつの声が響いた。


「俺は滝島くんを推薦する!」


 と俺の後ろの方から声が聞こえた。そう、健吾だ。

 こいつやりやがったな。お前がそうするなら俺もやってやるぜ!


「俺は多々「俺も滝島がいいと思うな。」「俺もそれが良い」……え?」


 俺が健吾を推薦しようとすると一部の男子が健吾に追従する形で俺を推薦してきた。

 まさかと思い後ろにゆっくりと振り向くと健吾が笑顔でこっちを見てきた。



 その後俺の抵抗も虚しく複数人の推薦ということで俺が学級委員になってしまった。


「おい!健吾。やりやがったな!」


「お前が教えてくれないから俺も心苦しかったが学級委員という犠牲にするしか……。

 おい、そんなに睨むなよ…。わかったわかった。週に一回なにか奢るからそれで許してくれよ。」


「なるほど。わかった。なら週に一回この学校でいちばん高い学食で許してやろう。」


「ちょっと待て!それって2000円もするやつじゃ…。

 まぁいいか。その代わり二週間に1回にしてくれ!」


「それでいいよ。これが1年だったらもっとやばかったけど半年だからこれくらいで許してやる!」


「悪かったって。」


 という感じで学級委員を犠牲に高級学食を得られた。

 半年だしまぁギリギリ許すことにした。

 それにこっちはお金減らないしな。


 そんな感じで男子の方はぐだぐだな感じで決まった学級委員は次に女子の方を決めることになった。


「よし。男子は決まったな。それじゃあ次は女子の方だ。誰かやりたいものはいるか?」


 と先生が聞くと、1人の女子生徒が手を挙げた。


「私がやります。」


 佐川さんだ。


「何!佐川さんだと!?」


 と後ろから声が聞こえた。だが残念。もう俺に決まったのだ。お前の手によってな!


「ふむ。他にやりたい者はいないか?……いなそうだな。それでは男子は滝島秀俊。女子は佐川楓で決定とする。ではその二人は生徒会準備室へ向かうように。そのほかの者は静かに自由にして良い。2時間目は交流会的なことをするつもりだ。」


 ということで俺と佐川さんは生徒会準備室へ向かうことになった。


 二人で教室を出ると佐川さんが


「ねぇ、貴方は栗田さんと一体どういう関係なの?あんなに仲良くしているなんて…。」


 といきなり聞かれた。

 あんたもかよ!と内心でツッコミを入れていると、


「栗田さんみたいな可愛い子がいきなり男と仲良くしているなんて…」


「あぁ、それは俺と栗田さんの好きなものがたまたま同じだったからそれで仲良くなったんだ。」


 そう伝えないとなんか嫌なことが起きると思った俺は佐川さんに仲良くなった理由を教えた。


「そう……。なら私にもその好きなものを教えてくれないかしら?……決して栗田さんが気になるというかそういう訳ではなくただ仲良くしたいだけだから。」


 うん?


「教えるのはもちろん構わないけど栗田さんに聞けばいいんじゃ?」


「……栗田さんに声かけるのは緊張するのよ。」


 もしかして。


「そっか。」


「貴方が栗田さんと仲良くしてるのを見たから学級委員に立候補したのに教えてくれなかったら意味無いわ。だからちゃんと教えて欲しいのだけど。」


「もちろん教えるのはいいよ。ただ、ちょっといい?佐川さんて栗田さんのことが気になってたりする?」


「そ、そんなわけないじゃない!さっきも否定したでしょ!」


「……わかったよ。ならLNNE交換しよう。そうすれば学級委員のことも好きなこととかも教えられるからさ。」


「もちろんそれなら構わないわ。」


「よし。交換できたな。それじゃ早く生徒会準備室へ行こう。遅れたらダメだしね。」


「そうね。」






 俺の予感だと佐川さんは……百合……だな。



 ――――――――――――――――――――


 百合が好きなので強引にねじ込みました。


 ヒロインは早めに登場させたいのでゴリ押しで進めていくつもりです。

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ハーレムランカー〜少女たちの力でいつの間にかSランク!?〜 スパルタンEX @gerogerosama0608

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