ありがちなやつ



 その後少しゲームをした後に風呂などを済ませ就寝した俺は気持ちよく朝目覚めることが出来た。


 たしか今日の授業はオリエンテーションと国語。それに……うへぇ。英語だ。


 他国語を学ぶ前にしっかりと自国語を学ばせることが大切だと思うんだよね俺は。今は翻訳機もあるし。

 決して嫌いなわけじゃないよ。


 それはさておき今日の分の教科書の準備を終えた俺は早速学校へと自転車を走らせた。


 20分ほど走らせると学校に着いた。

 自転車を昨日渡された番号の所へととめ、そこそこでかい校舎を自分の教室目指して歩く。

 正直迷子になりそうな内装だ。

 案の定少し迷子になったが何とか教室の前へとつきドアを開けると中には数人ほどクラスメイトがいた。

 そのうちの一人に昨日少しだけ話した後ろの席の多々良健吾たたらけんごに声をかけられた。


「よう滝島。」


「おう多々良。」


「健吾でいいってば。……そうだ。初日の感想でいいんだけどよ。滝島はこの学年でいちばんかわいいの誰だと思う?

 ちなみに俺は佐川楓さがわかえでさんだと思うんだけどな。」


「俺は……どうだろうな。栗田さんとか可愛いと思うよ。」


 もちろんこれは昨日仲良くなったということが多分に含まれている。


「確かに栗田さんも可愛いよな。ありがとな!これでこのクラスの男子たちの意見はだいたい聞き終わったよ。……結果知りたいか?」


「いや……まあ。そりゃ少しはね。」


「仕方ねぇな。教えてやるよ。一番は俺も言った佐川さんで圧倒的だったな。それで残りは一、二票がバラついている感じだ。まだほかのクラスには聞いていないが俺の予想じゃ春姫は佐川さんが取ると思ってるよ。」


「確かに佐川さんは綺麗だし入学式で新入生代表をしてるもんな。納得だな。」


「だろ!んじゃ俺はほかのクラスにも聞きに行ってくるからまた後でな!」


 と言って去っていった。


 この学校にはよくラノベにあるような「四季姫」と呼ばれる人たちがいる。(ちなみに男子は表では呼ばれてないが「四天王」という噂がある。)

 そして去年その四季姫の春姫と呼ばれていた人が卒業したことで新たに1人作らなければという感じになっている。


 なんで入学したばかりのお前が知ってるんだと思うかもしれないが、今の時代は美しければ美しいほど玉の輿を狙えたりランクも多少上がりやすくなったりと言うのがあるため学内外問わずこういうのは広まっていくのだ。四季姫と呼ばれるようになった所以は知らないけど。


 ちなみに冬姫と呼ばれているのはあの生徒会長である来栖明さんだ。


 他の二人は2年生らしい。


 そんなことを考えているとだんだんと教室に人も集まってきた。話題の佐川さんも来たようだ。


 にしてもほんとに佐川さんは綺麗だな。

 可愛いと言うよりも美しいが目立つ容姿をしている。

 漆黒のような髪を腰付近までストレートに伸ばしており背も女子の平均よりは絶対に高い。そしてモデルのようなスタイルをしている。

 そして昨日の自己紹介を聞いている限り恐らくクール系だと思われる。


 そりゃ人気もあるだろうなと納得できるほどにビジュが整っている。




 少しすると栗田さんが教室へと入ってきた。背負っていたリュックを自分の机に置いたかと思うとこちらの方まで来て、


「おはようございます!滝島くん!」


 と声をかけてきた。まだ出会って2日目なのに学校でもここまで距離を詰めてくるとはとびっくりはしたが嫌とかでは無いので、


「おはよ。栗田さん」


 と返事をした。


「昨日はありがとうございました!昨日はすっかり忘れてたんですけど滝島くんはドラ○エのスマホゲームはやっていますか?」


 と聞いてきた。恐らく栗田さんが言っているのはドラ○エタクトかウォークのことだと思う。


「一応タクトの方はやってるよ。」


「そうなんですね!なら後で戦いませんか?私もすごくやり込んでるので!」


「いいね!なら俺は推しパ戦おうかな!」


「滝島くんの推しパ……。楽しみです!なら私はムキムキパで相手します!」


「強そうだな。……もうそろそろ先生も来るだろうし続きはまた後で話そう。」


 「ならまた後でLNNEしますね!」


「わかったよ。」


 と言って自分の席へと戻って行った。

 同じものが好きな人がいると遠慮せず話せていいよな。


 するといきなり後ろから肩を掴まれて


「おい!滝島!お前もう栗田さんと仲良くなったのかよ!まだ2日だぞ!もしかして同中だったりするのか?」


 と少し興奮したように聞いてきた。


「いや、昨日初めて会ったよ。」


「ならなんでなんだ……。」


「たまたま俺と好きなものが同じで栗田さんが声をかけてきたんだよ。で、その後にせっかくならって言うことで家に呼んで二人でゲームしてたんだ。」


 そう伝えると健吾は見たこともないような顔つきになった。


「?????」


「おい、急に黙ってどうしたんだよ。」


「出会った日に、家に読んで、二人でゲーム……だと?」


「おい、どうしたんだよ。」


「…………後で詳しく聞かせてもらうからな!」


 となんかもう言葉で言い表せないような顔をした健吾が俺に言ったちょうどでチャイムがなり先生が入ってきた。


 健吾は先生が入ってきたことで体勢を戻したが小声で


 (逃げるなんて許さないからな。)


 と言ってきた。

 怖い。


 ――――――――――――――――――――


 俺の推しは○ティナ


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