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『SCARLET NEXUS』2021年、ps4 、念力と仲間との連携を用いて、怪異を倒せ。ブレインパンクアクションRPG。

『SCARLET NEXUS』2021年、ps4 、CERO:D(17歳以上対象)、バンダイナムコエンターテインメント


 遙か未来の地球。脳力と呼ばれる力を用いたシステムが普及した国、ニューヒムカ。人々は上空から来る「怪異」と呼ばれる化け物に脅かされながらも日々を送っていました。

 強力な脳力である「超脳力」を用いて怪異に立ち向かうのは、怪異討伐軍。通称スカーレットガーディアン。

 今年もまた、新たな訓練生が学校を卒業し、怪伐軍に入隊しました。建国の父の血脈を継ぐユイト・スメラギと、訓練学校を首席で卒業したカサネ・ランドール。

 二人が出会ったとき、赤い糸に導かれて物語が動き出します。



 今作は、架空の未来を舞台にした作品。作中では「超脳力」と呼称されますが、念力や透視といった超能力を用いて、怪異を倒すアクションゲームです。

 主人公はユイトとカサネ、どちらかを選び物語を進めます。両ルートで異なる場所や展開を体験することもあれば、両ルートが重なることもあり、二人分の物語をプレイするとストーリーへの理解が深まります。

 もちろん、片方だけのプレイでも物語は理解できると思いますが、私は二周プレイしました。というのも、個人的にアクション面が気に入りました。


 ユイトは刀、カサネは複数のナイフが武器。二人の超脳力は同じ念力で、武器で攻撃をしながら、念力で周囲のオブジェクトを操り追撃できます。

 赤いコーンや自動販売器など、敵にぶつける物もあれば、バスやドローンなど操って動かす物まであり面白いです。

 敵に武器で攻撃→念力で物をぶつける→武器で攻撃、これが基本的なサイクルですが、そこに仲間との連携要素が加わります。

 透視や炎上、放電、瞬間移動、透明化など、様々な超脳力を持つ仲間がいまして、仲間の超脳力を戦闘中に借りることができるんです。

 見えない敵がいたら「透視」で探す、敵を痺れさせたい時は武器を「放電」させる、動きが速い敵には「瞬間移動」を使うなど。

 脳力を借りるシステムを作中では「SAS」と呼ぶのですが、このSASが面白いです。

 SASは任意で使用できますが、各能力には使用可能時間を示すゲージがあり、空になると再度ゲージが溜まるまでそのSASは使えません。

 敵ごとにSASを切り替えたり、「複製」で分身を作りながら「放電」で攻撃力をあげるなど、SASを組み合わせるのも楽しいです。

 仲間との連携技や、敵にトドメを刺すブレインクラッシュというのもありますし、脳駆動ドライヴ脳内空間ブレインフィールドなどといった、多彩なアクションが本作にはあります。そのためコントローラーのボタンをフルで使用します。R3とL3まで使います。

 SASを発動する時や決め技をする際のカットインがカッコよくて好きでした。

 なお、主人公二人は若干操作性が違います。私の体感では、ユイトは近距離が得意で、地上コンボがつながりやすく溜め攻撃も二段階あります。カサネは中距離が得意で、空中でもコンボをつなげやすいです。


 さて、ストーリー面に話を戻しますと、かなりシリアスなお話で、登場人物が命を落とすこともあります。

 なぜ怪異は現れるのか、政府は裏で何をしているのか、そういった世界の裏側を探ることで、世界の危機に立ち向かうことになります。ネタバレになるのではっきりとは言えませんが、「時間」が物語に深く関わるところもあり、やや複雑な要素もあります。

 世界観は作り込まれていると思いました。年号が新歴にうれきと呼ばれていたり、この国にはひらがながなく、カタカナと漢字だけを使用しているなど、街の広告の様子からわかるようになってます。

 また、キャラごとにキャラエピソードが存在し、主人公とキャラの会話を通して、個々の性格やバックグラウンドがわかるようになっています。

 さらに、仲間には好感度があるのですが、プレゼントをすることで、好感度をあげられます。

 本作で面白いのが、プレゼントをそれぞれの机に飾ったり、実際に使用したりしてくれるところ。アジトと呼ばれるゲーム内拠点があるのですが、お花をあげるとそこに置いてくれた上、水を与える様子が見られるようになる。という感じ。ゲーム機をプレゼントしたら、仲間同士で対戦し始めるのも面白かったです。

 好感度が高いとSASの効果も上がりますし、戦闘中に仲間が回復してくれる確率も上がります。主人公のHPが0になった時も助けてくれる時があるため、ものすごく助かります。

 ゲーム内で訪れるロケーションは、街や廃墟、高速道路、雪山などがあります。特に、街はホログラムがそこら中にあって、ドローンも飛び交い、未来的な世界を強く感じられて良かったです。

 戦闘の難易度ですが、敵の攻撃がやや痛いように感じられました(受けるダメージが多いように思った)。アクションが苦手な人は、難易度を下げても良いかもしれませんね。

 超脳力を用いたアクションが印象に強く残る、素敵なゲームだったと思います。

 



(参考サイト:『SCARLET NEXUS』公式サイト、プレイステーションストア本作商品ページ)


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