第3話 再会(?)

―神崎 愛【楓の好きだった人】―

「ただいまー」

いつも通りの代わり映えのしない学校生活が終わり、いや、今日は今日はいつも通りではなかったな...帰宅するとやはり代わり映えのしない返事が、しない...?

「ただいまー!どうしたの?何かあったの?」

今まで帰ってきた時に家族がいなかったことはないし、返事が帰ってこなかったこともない。何かがおかしいそう思って周りを見渡すとそこはいつも見慣れた私の家の玄関ではなかった。


私は知らぬ間に中世ヨーロッパ風の商店街のようなところに立っていた。

「ここはどこ...?」

思わず思ったことが口に出てしまう。それほどに衝撃的だった。

突然この場所では珍しい妙に小綺麗な服を着た女の子が現れたから周りは騒然としていた。

街の衛兵 らしき人が現れ連れて行かれパニックになっていた私はただひたすらに冷や汗をかくだけで、なにも話すことができなかった。ようやく落ち着き話せるようになると、事情を説明した。するとそういう子を引き取っている食堂があるらしい。私はそこに引き取られることになった。


目の回るような忙しい生活が始まった。ようやくの最初の休日、私は街を見物しに来ていた。そこでしてしまった。 一目惚れを。

忙しく動き回るここでは珍しい黒髪の彼は、どうやらザイン商会という商会の人らしい。名前はカエデ、偶然にも向こうの世界で私のことを好きになった人と同じ名前だった。けど背丈も体付きも、かなり違ったので、彼ではないだろう。

私は次の休日は彼に話しかけてみようと思うのだった。

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出会い、別れ、そして僕はまた君に恋をする。 白井黒猫 @mahamiha0402

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