第5話 少年と二つ目の瓶詰

 僕は今日もいつものように散歩をしていましたらまた怪しい瓶を発見しました。僕は手に取り、すぐに家に帰り開封しました。中身は前にも漂着した瓶の続きです。書いた人には先に謝ります。今回も焼き捨てていません。

 

 この前、僕は瓶詰の手紙を発見しました。手紙に僕は共感を覚えました、そしてその内容があまり人様に言えるものでもなく、かなり赤裸々でした。

 これだけ赤裸々に自分の事を書けばもっと心が軽くなれるのではと筆を撮った次第です。


 これから書くことは僕の核心です。本当ならどこにも露出したくないのですが押さえ込むには大き過ぎるので、ここで少し吐露したいのです。


 幼い頃から僕は常に少し愚かなふりをして過ごしてきました。その方がお得だと気がついていたのです。僕も何か聞かれたらわざと答えを遅らせたり、わざと間違えたりです。でも気づいたら僕は取り返しの付かない真性の馬鹿になっていました。もうどこまで普通でどこから馬鹿なのか分かりません、もしかしたら最初から馬鹿で、更に馬鹿を演じていたから、手の施しようのない馬鹿として、情け、哀れみをかけられていたのかもしれません。

 そんな嘘から産まれた馬鹿な僕は仕方がなく、やる気のない演技をしているのです。僕が一枚目に見つけた瓶詰の手紙にもそんなことが書かれていました。流石に焼き捨てろと書かれた物を引用はしませんが。

 そんなやる気のない演技をし続けて、本当の、やる気がなんなのか分からなくなってしまいました。愚かな振りではなく本当に愚かだと証明されました。でも僕のちっぽけな自尊心が馬鹿として開き直らせてくれません。僕は一思いに非行に走る勇気も持ち合わせてはおらず、ただ馬鹿をひた隠しているのです。

 たまに思います、僕の人生はこれからどうなるのでしょう。これから先もずっと、何かそれらしい理由つけて逃げに逃げる人生なのでしょうか。たまらなく不安になりますが、もうどうする気も起こりません。もうどうしようもないのです。

 この手紙を書いていて僕は今、はっきりしました、僕は人間失格です。

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瓶詰の告白 澁澤弓治 @SHIBUsawa512

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