肆 亀之丞の危機
亀之助は天文13年 1544年
亀之助は危機にさらわれていた。
亀之助は一時的に渋川の東光院に逃げ、東光院の庭で遊んでいた。
しかし追手が迫っているという情報を手に入れいち早く逃げる必要があった。
逃がす必要のある亀之丞を正実が見つける。
「亀之丞殿、いいですか。あなたは命を狙われております。なので今からこの寺を脱出します、よいですね。」
亀之丞は頷いた。
亀之丞はわらで編んでで作られた「かます」という袋の中に入れ、今村正実や井伊直満の家臣が急いで屋敷を発った。
「行き先はどうなさいますか?」
家臣の一人が聞く。
「信濃の国の寺、松源寺だ。」
実は正実は前日に僧侶であり臨済宗龍潭寺二世住職の南渓瑞聞に相談をしていた。
南渓瑞聞は亀之丞や井伊直盛の祖父である井伊直平の次男もしくは三男として生まれた説があるが、真相は確かではない。
「亀之丞の命が危ない、どこに逃がせばよいのだ。」
そこに南渓瑞聞がやってきた。
「南渓殿、亀之助が命を狙われているんです。どこか匿う場所はありませんか?」
「ふむ。そうだな、信濃の国にある、私の師である黙宗瑞淵ゆかりの寺、松源寺はどうだ。」
「わかりました。では、そこの和尚に書状を送っていただけませんか?」
「承知した、すぐにに送ろう。」
こうして今に至るのだ。
「松源寺ですね、承知しました。」
家臣が言う。
その時だった。
「ぐわっ。」
いきなり家臣が矢で射抜かれ倒れる。
その瞬間、正実は追手だと確信した。
「敵襲だーー、であえー。であえー。」
直満の家臣らはこれに応じ、一斉に戦いはじめる。
あたりは弓矢が飛び交い危険な状態だった。
「このままでは亀之丞の命が危ない。二手に分かれ亀之丞を逃がそう。」
こうして直満の少数の家臣が残り応戦し。残りの正実らは先を急ぐ。
そしてついに、信濃の国にある寺松源寺にたどり着いた。
あたりには雪が降っている。
門の前には松源寺の和尚が手をこまねいていた。
こうして亀之丞は松源寺で匿われることとなったのだ。
更に市田の郷を収めていた松岡氏ににも守られることとなり、正実は安堵した。
その頃、亀之丞の許嫁である井伊直虎は悲しみに暮れていた。
「ああ、亀之丞あなたは大丈夫なの?」
直虎は亀之助の帰りを待ち続ける。
しかし亀之丞は帰ってこない。そんな日々を送っていた
亀之丞は亀之丞を守るため井伊家では死んだことにしていたが、でもそんな亀之丞を待ち続けているのだ。
そんな直虎を父である直盛は心配していた。
「可哀想に、許嫁である亀之丞が死んだことにされるなんてさぞ辛いだろうな。」
こうして月日は流れていくこととなる。
井伊の赤鬼降臨 氷川警部mk @mk0819
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