TMM

うたうぷりん

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『クリア!次!』


1時間前まで一般市民で溢れかえっていたこの街は、戦場と化した。


響き渡る銃声。


人々の悲鳴。


15分前に特殊部隊TMMが到着し、"敵"の殲滅を図っている。


「おい、お前!モタモタするな!次のエリアへ行け!」


TMMの隊長だ。


『了解!隊長』


次のエリアへ向かう軍用車両に乗り込んだ。


車両の天井にはThe Manipulated Manと書いてあった。


車両には全部で4人乗っている。


突然、視界がグラつく。


だが、車両には何の異変もない。


異変が起きたのは身体のほうだった。


自分の意思とは無関係に、ライフルが持ち上げられる。


激しい銃声が響く。


さっきまで共に戦っていた仲間が、自分の手によって灰になるのを、見ていることしかできなかった。


一体なぜ?


まるで見えない糸に操られているような、そんな感覚だった。


喪失感と焦燥感でいっぱいで、自分を狙う鈍く光る銃口に気付かなかった。


躊躇いもなく銃弾は空気を切り裂き、頭を貫いた。


「ざまぁ…みや…がれ」


視界が赤く染まる。




『GAME OVER』













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