早生まれの天使

@mayonaka159

第1話15歳決断の夏

チリーン チリーン

風が吹いて風鈴が鳴って涼しいはずなのに暑い。


ソーダ味のアイスを食べて体が冷えたはずなのに暑い。

もう何しても暑い。


ガチャン


ブーン

誰だろう?手紙かな?

重い体をなんとか起こして廊下に出て玄関のドアを開けた瞬間


ムッとした空気が私の体を横切った

「あっつ!」

天気がいいのに外に出たくないのはこの暑させい。一歩外に出たら溶けてしまうのではないかと思う。

そしてポストの中を確認する。

1枚ハガキが入っていた。

受験生応援夏の1ヶ月お試し

「はぁ。受験ね」

もう受験という言葉は今年から私の後ろにずっとついてくる。

なりたいもの、将来、進路、急にそんな事言われてもわからない。そんな事を思いながら部屋に戻った。

「私に受験なんてできないよ」

15歳で何になりたいかなんてそんな荷が重い決断できないよ。机の上にはいつ倒れてもおかしくないテキストが積み上がっている。そんなテキストを睨んでいると

ガラガラー

「ただいまーもう暑いわね。」

「おかえり」

「すみれいるなら車にまだ荷物残ってるから運ぶの手伝ってよ」

「えー母さんが持ってるので最後じゃないの?」

「今日はスーパー2軒回ってきたのよ。そろそろお彼岸でしょ?料理作っておばあちゃんの家に持って行かないといけないから忙しいのよ。」

「なるほどね。じゃあ未来お姉ちゃんもおばあちゃん家にくるよね?」

「えぇ来ないとは言ってなかったわ」

「やったー!!」

「ちょっとおばあちゃん家行く前までに宿題終わらさせなさい。それと早く車の荷物持ってきて」 

「はーい」

急いで玄関を出て車に向かった。

さっきまでの暑さが嘘みたいに感じなかった。すぐに荷物を持ってお母さんのところに置いてきた。

「久しぶりに未来お姉ちゃんに会うなー!」


このお盆が私の人生のスイッチになるとは思わなかった

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