2つの顔を持つスター

Dream

とあるカフェの店員  リン の一日目

何処の学校にも一人はいるだろう

眼鏡で、髪が黒くて、窓際に居る、いつも一人の生徒

要するに、陰キャだ

そんな陰キャに分類される私、加藤リンカ

窓辺で頭ン中空っぽにして日中の授業をやり過ごしている私にも、誰にもばらしていない秘密は、、もちろんある

家に帰れば自分の家にあるストリート系の私服、大体黒め

机の上にあるのは黒ネイルと黒マスク、あとは好きなメーカーのヘッドフォン

「さぁて、、此処からは ” リン ” の時間だぞぉ~~、、?」

今日の気分に合うような服装に着替えてマスクをして、眼鏡をはずして、ネイルをする

眼鏡は外してヘッドフォンを首に下げる

加藤リンカの皮を捨てて、リンの皮を被る

私の居場所は、通称 歌の街 

ストリートシンガーさんがそこかしこで歌っていたり、日常的にライブが開催される

そんな街から有名になった人も多く、歌の街と呼ばれた所以が其処にあるような、まぁ兎にも角にも歌の有名な場所ってコトだ

そんな街は、歌の好きな私にとって大好きな場所で、叔父に頼み込んで直営のカフェで働き始められている

勿論歌もちゃんと歌ってるし作ってる

「おはざぁ~す、、あれ、おじさん居ねぇのか?」

何時ものように札のかかっていないカフェの扉を開けて店内へ入るが、普段ならもうすでに準備を始めているはずのおじさんがいない

恐らく、何も言わないでまたどこかのカフェかシンガーさんのところに行っているんだろう

つまりは一人で開店準備しなきゃいけないってことだ、、、あの奔放ジジイめ、、

「っしゃぁ~~、、気合入れなおしてやっかな!」

ヘッドフォンを付けてプレイリストを開いて曲を選ぶ

今日は、、ボーカロイドの気分だ

ゆったりした流れで進む曲、最初っから飛ばしてテンションの上がる曲

使われている子が同じでも、曲によって違う顔をするボーカロイド

この子たちを介して世界へ自分の思いを伝えるマスターさんはどんな歌声をしているんだろう

どんな気持ちでこの子たちを動かして世界に音をぶつけているんだろう

そんなことを考えながら聞くのが好き

なんて考えながら手はもちろんちゃんと動かしていて、店内設置の機材もちゃんと動くか確認済み

時間を見てみればもうすでに店開ける時間で、おじさんはまだ外で何かしらやってんのか帰ってくる気配すらない

「あ”~~、、開けちまうか、」

エプロンはかけたままで玄関へ、近くの棚から札を出して扉に掛ける


OPEN


カフェ、ワンサウンドの開店時間

続々と人が集まって来てて開けてから10分ほどで大分席が埋まる

「おうリン、来たぞ~~ おっさんいないのか今日」

「あ~、あの人いまどっか探しゃ居ると思います、、w

  すいませんね、今日はアタシがやるんで!」

何時もよりも数段雑な話し方で自分よりも年齢上の人と話す

学校じゃ絶対にしないそんな行動が、此処では許されている








他の人から見れば雑で、おかしいこの時間が、この街が



ホントウの自分を出せる音楽が、とんでもなく愛おしかったりとかする

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2つの顔を持つスター Dream @noa5268

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