言わなきゃ伝わらない

若者が100回の転生を終えてスクリーンが消えて神様と俺たち2人が神界?に残された。

「さて粛清も無事に済んだことだし君らも能力を選んで転生するとよい」


神様はスッキリした顔で俺たちに声をかけてくるが、1人の人間が101回死ぬ場面に立ち会ったばかりの俺たちは当然そんな気分にないし、気力もない。

そんな2人の様子に気づいた神様は

「なぁに、あんな地獄のような環境は森の中だけじゃ、それに森の周りは湖に囲われていて、その周りは5000メートル級の山々が取り囲み、その外は海になっている。

君らが転生するのはその海の向こう側にある大陸じゃから転生した側からいきなり殺されるようなことにはならん。


それになこの世界は本当に異世界テンプレのように俺 TUEEEができる世界じゃ。この世界に生まれた住人たちは対した能力も持たんし、スキルも長い年月をかけて獲得するがチートをわしから与えられた君たちならあっという間に無双できるような世界じゃ。十分に楽しんでくれ。」

そう言ってさぁさぁと能力を選びなさいというような手振りで俺たちに転生を促してくる。

しかし、いくら離れてるとはいえ紛れもなくスクリーンに写っていたのはこれから転生する世界。何かの間違いで森の魔物が大陸に来ないとは絶対に言えないのではないか、それに仮に街や村のそばに転生したとしても、最初からバカ強いわけではないのでなんらかのアクシデントに巻き込まれて普通に死ぬこともあるんじゃないだろうか。

隣をみると女の子がぶつぶつと

「いや・・ないわ。やっぱり私には無理」

と呟いていて私の方に顔を向けてきた。

あぁ同じことを考えているなぁと思った私は大きく頷くと女の子も頷き返す。

そして神様に向かって声をかける

「あの、すいませんもし良かったらなんですが・・・。」

「なんじゃもっと役立つ能力でも欲しいのか?」

俺は女の子と再び向き合い頷き合った後、神様にお願いをしてみる

「あの折角の善意からのお話なんですが・・・、」



「「転生しなくてもいいですか?」」



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異世界は全く甘くない。転生しなくてもいいですか? 井嬰 木正 @shack14

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