あとがき 物語の全貌

私たち警察は通報を受けて、海に訪れていた。


そこにいたのは2人の男女。


お互いを紐で結び、離れないように抱きついている。


そうしてこの子達には2名の殺害容疑がかかっている。


だが、まあ


「この子達はあいつに人生を狂わされたんだよな。」


私たちの調査によって飲食チェーン店の社長である甘蔵が何をしてきたのかその全貌が見えてきた。


そして本来、明日逮捕状を出してもらおうとしていたところで奴が死んだ。




奴は今から三年前、事故を起こした。


酒を飲んだ後にトラクターに乗りその近くの宿泊施設に行く予定だった夫婦を車ごと突き落としてしまい、奴はそこから逃げ去った。


その後奴はある修理会社に頼みトラクターの隠蔽をした。


しばらくは捕まるかと怖がっていたのか知らないがこれと言った行動は起こしていない。


だが、あるとき警察が一向に来ないことに安心感を覚え、それと同時に奴は思ってしまった。


『隠蔽して仕舞えば何をしてもいいんじゃないか?』と



そうして奴は二年前、会社でかなり高い位置にいた、ある夫婦とその家族を殺した。


そちらに光が当たらないように、あらかじめ雇っておいた、強盗をある家に犯行時間よりも早く送り込んで。


結果、それは要らなかったようだがね。


それからの奴はどんどん上り詰めていった。


邪魔者は殺してな。


だが、そこまで動くと証拠の一つや二つは出てくる。


そしてつい先日、はじめにトラクターの隠蔽をした会社を摘発した。


他に色々なこともやっていたようだ。


そうして奴にたどり着いた結果がこれだ。






俺は砂浜で倒れている2人の方を見た。


すでに息は引き取っている。


しかし、俺の瞳に映るその顔は


2人で笑い合っているように見えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

その復讐劇、手伝いましょう。 真夜中に散りゆく桜 @sakura-tiru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画