保次郎編7話 なんで、異世界転生した夢の中でこんなにディスられないといけないんだ。僕が何をした


  とにかく、僕は眠る事にした。

 今この場に、害意も悪意も、何も感じられない。


 可愛い女の子と、不細工な品のなさそうな男の子がいる。

 女の子は、とても可愛い。

 僕の好みだ。

 可愛いだけじゃない。

 品位というのが、容姿にも現れている。

 そうそう、こういう品位が容姿にも現れてる美少女だよ。

 僕が好む、僕のヒロインに相応しい美少女ってのはさ。


 僕は、3人で楽しくゲームをして遊んでいる。

 ああ、これは夢だ。

 僕は今、夢を見ているんだ。

 さっきまで赤ちゃんだったのに、いくら異世界といえども、初めての眠りについてから、

いきなりここまで成長するわけがない。

 これが、夢でないわけがない。

 それは、はっきりとわかる。


 「ゲーニックの待ち強すぎだろ」

 

 男の子が、ゲームに負けて 


 男の子がゲームに負けてぼやいてるようだ。


 「〇〇、これ、ゲーニックの待ちの強さなんてものじゃないわよ」


 女の子が、口を開く。

 男の子の名前らしきところは、なんだかぼやけてよく聴こえない。

 

 「なんだって」

 「俺はゲーニックの待ちを攻略しようと特訓してきたんだぞ」

 

 男の子が、驚いたように声を出す。


 「弱パンチ→強キックから後ろ溜めのハーフスピンキックからまた弱パンチに戻れる可能性がおよそ80%ってのがおかしいわ」

 「なんで必殺技から弱パンチに戻ってループできるのよ」

 「これ、バグでしょ」

 「こんなバグ使って勝って楽しいかしら保次郎」

 「軽蔑するわね」 

 「貴方っていつもそうね」

 「昔からずっとそう」

 「今もずっとそうよね」

 「もう、そういう魂なのね」

 「貴方は、どれだけ異世界転生を繰り返そうが」

 「同じでしょうね保次郎」


 なんだか、夢の中の僕が、酷くディスられている。

 なんで、異世界転生した夢の中でこんなにディスられないといけないんだ。

 僕が何をした。

 夢の中の僕が何をしたって言うんだろう。

 不正もせず、卑怯な手段も使わず、正々堂々とゲームをして勝利しただけだろう。


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異世界転生して突然少女に村を救ってもらうわと言われてもチートスキルも分からないんだけど。 むかついたのでとりあえず少女に殴りかかりました 甘いからあげ @pankana

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