第8話 何してんだオメエら
遥さんに連れられ旧視聴覚室へ辿り着いたわたしは、教室内の設備に圧倒された。
ハイスペックゲーミングPC、ゲーミングチェアが2台ずつ。奥の方には大型のテレビにsw◯tchやら◯S5やらがあり、いろんなゲームをプレイできる様になっている。
他にも本棚には大量のボドゲがブッ刺さり、床にはダイスと麻雀牌が散乱していた。ここ魔境…?
「どうだい宮本? いや、武蔵と呼ぶべきか…?」
「絶対やめてください」
「まあまあキレないでくれ、怖い。冗談はさておき、どうだいこの設備は? 私が全て持ちこんだ」
「すべて遥さんが!? なぜ許されたんですか…?」
「私が君と同じ成績優秀者だから、かな」
「成績優秀者でもやっていいことと悪いことがありますよ…?」
「まあ、私は許可が降りたわけだ。すごいだろう?」
「教師陣、呆れてるんじゃないんですか?」
「自分の行いを呆れられたところで、私はなんともならないよ。『自分の人生は、自分で演出する』って言っているアニメキャラがいただろう?」
「なるほど…?」
「誰になんて言われようが、私は私の演出方法を変える気はないかな。こんな私を認めてくれた、ある人がいる限りね」
「それが、先程の話で出てきた彼氏さんですか?」
「あの人が言ってくれた言葉は今でも覚えているよ! あの言葉にどれほど救われただろうか…」
「その彼氏さんって、どんな人なんですか?」
「真面目で、ゴツくて、たまに笑う顔が可愛くて、どんな時でも私を気にかけてくれる、とても優しい人間だよ」
「良い方なんですね」
「ああそうだとも! 彼もこの同好会にー、きゃっ!」
「え、どうしま、痛っ!」
何故か目の前に遥さんの顔が。後ろには…、何かの取扱説明書? らしき物が空中で浮いている。まさか踏みつけて滑ったとでも言うのだろうか? ベタすぎる。
わたしが手を添えれば助かるだろうが、瞬発力には自信がないため、今手を出しても間に合わない。よってわたし自身がクッションとなる作戦へと移行、無になる。
わたしの方へ来る遥さんを抱き留め、頭を打たないように胸で抱き抱え、わたしは柔道で極めた受け身の姿勢で床へ倒れていく。
なんとか二人とも頭は打たずに済んだ。しっかし遥さん、ものすごく軽い。
「おっとっと…。すまない、宮本。助かった」
「大丈夫です。遥さん、運動得意とか言ってませんでした?」
「応用は出来ない。よって私は運動できない」
「なるほど…。あと早く降りてくれませんか? この姿を誰かに見られたら…」
「あぁ…、すまない。よっこr
「し、失礼しまーす…
『あ』
『え?』
爆速フラグ回収とはこのようなことを言うのだろうか? 自分がこのような経験をするとは思わなかった。
「え…、何してるんですか…?」
「私が転んでしまったんだ。丁度いい、りょう、起こしてくれ〜」
「なんで僕が起こさなければ…」
「悪い、ちょっとそこどいてくれるか?」
「あ、すいません…。え、誰ですか…?」
「はるか、ほれ起きろ」
「お、
「ほら、教室で言ってた例のやつ連れてきたぞ。て言うか、めちゃめちゃ来る気満々だったぞコイツ。行きたくない素振りなんてゼロに等しかったぞ?」
「裕也を見て行きたくなるかなーって」
「はるかお前一回表でろ」
「怖いなー裕也」
男が急に乱入してきたと思ったら、遥さんの機嫌が急激に良くなってわたしは困惑している。
「で、誰ですか?」
「あぁ、すまない。紹介が遅れたが、彼がわたしの
「はるかの彼氏の坂城だ。今日ははるかの誘いに乗ってくれてありがとう」
「そんで、裕也の後ろにいる娘が内川
「この娘が例の…。えっと、丸山 涼です、よろしくね…?」
「…よろしく」
「よし、全員揃ったな。はるか、始めるぞ」
「じゃあこれから同好会の説明を始めようか!」
今思えば、あの勉強会よりもこの同好会がわたしと涼の関係を大きく変えた出来事だったな、と思う。
作者のひとこと
眠くて展開クッソ短くしました。リアルでバイト始めました。
先輩の彼氏の裕也くんですが、今回もウ◯娘のジャン◯ルポケットとナ◯タトップロードの半々みたいなキャラにしたいと思ってます。
茜色の空、交わりの予感 柑橘 @K_Orange
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