第7話 私は君の協力者になれる
私に視線が集まるのがわかる。また目立つ行動をしてしまっただろうか? もっと私っぽさを際立てられそうな登場の方がいいだろうか…?
「やあやあ諸君、突然すまないね。りょうはどこにいるかな?」
「りょう? 丸山のことですかね?」
「そうそう、その丸山はどこー? っとそこにいたのかァァ!!」
りょうはっけーん⭐︎ ゲーセンで会った時の表情とは違い、今は少し疲れてそうな表情になっている。ははーん、隣の女子にうんざりしているのだな!!
「迎えに来たぞ、りょう! さあ早く同好会見学にー」
「ちょっと待ってください先輩」
「ん? 君はー、誰だい?」
「涼と同じクラスの宮本 瑚都です。唐突ですが、先輩と涼はどんな関係ですか?」
「どんな? 同好会のメンバー同士、かな」
「僕まだ入ってないですけどね…」
「なァに、すぐ入りたいというさ」
「ほら! メンバーじゃない様ですけど、本当はどんな関係なんですか!?」
すごい詰問される。彼女はりょうの彼女さんか何かなのかな? まあいい、君のことはどうでもいい。私が同好会に望んでいるのは、りょう。それ以外はいらない。
「さっきゲーセンで対面した、いわゆる同士? 的な存在だね」
「さっき? ってことは涼はゲーセンで遊んでて遅刻したの!?」
「違います! いや、違くはないんだけど語弊がある!!」
「そうだ! 私達は遊んでたわけではなく、戦っていたんだ!!」
「遥せんぱい話ややこしくなるんで黙ってください」
「まあ、私達はさっき知り合って、私が一方的に勧誘しているわけだ。それ以上でも、それ以下でもないかな」
「かっこよく言っても何も出ませんよ…? じゃなくて! 一方的に勧誘って、さっき涼は入らないって言いましたよね?」
「入っていない、と述べただけで入らないとまでは言ってないかな。とりあえず見学してから決めてもらう。そう言うことだ。行こうか、りょう」
「わたしも、見学に行きます」
「瑚都さん、いいの…?」
「涼が同好会に入ったらわたしが勉強教えてもらう時間がなくなっちゃうから、全力で死守しなければ!!」
「なんだそう言うことか。ならば、なおさら入会すればいい。私はなんでもできるからな、勉強もゲームも頑張れる頭脳になるぞ」
「遥せんぱい本当に頭いいんですか…?」
「去年のテストは常にトップだったな。あんまり授業は出てなかったが、な」
「僕より頭いいし、先輩だからもっと教えるの上手いよ。なんなら僕も勉強教えてもらいたいし、入会するかも」
「おぉ! そう言ってくれるかぁ、りょう! 早く部室行こう! 早く!」
「あ、せんぱいちょっと待ってもらってもいいですか? もう一人入部希望者いるんで連れてきますね」
「む。君以外に二人もいるのか…? 今日は会員大収穫ではないか…!」
「ですね〜。呼んでくるんで先行っててください!」
「了解したよ。さて、宮本さんだったか? ついてきたまえ」
「え、でも涼は…?」
「彼には地図を渡してあるから大丈夫だ。しかし君は何も知らない。私が案内するのは必然だろう?」
「そうだけど…」
「まあいいから早く来たまえ。君が自分を偽っている理由も知りたいからね」
「…は? 何言ってるんですか…、先輩?」
「何って、気づいていないとでも思っていたのかい?」
「なんの話ですか…?」
「君が本当は彼に勉強を教えてもらわなくてもいいくらいの頭脳を持ち合わせていることだよ」
「…ッ!」
「『なぜ分かった?』みたいな顔してるね。答えは簡単、新入生代表の言葉はその年の受験者の中で一番試験の点数がいい人間が行うからだね。私も経験があるから、君が私と同等の頭脳があると言う結論に辿り着く、証明終了」
「わたしの弱みを握って何がしたいんですか…? まさか涼を取りたいとか言わないですよね!? なぜ私バカを自演しているのか分かってて言ってますか?」
「そう言うわけじゃないよ。しかも、私の
「そ、そうなんですか…」
「そうだ。私が彼を勧誘した理由は、ゲーセンでゲームを見る目が輝いていたからだね。しかもそのゲームが始めてプレイするゲームだと言う。なかなかの逸材の発見を私は久しぶりに喜び、勧誘したわけだ。別に君もゲームは嫌いではないだろう? 楽しくゲームをするだけの同好会、やることなんて自由だ」
「いや、でも…」
「もしかして何か部活に入っていたりするか? それなら無理にとは言わないが…」
「いや、涼と一緒にゲームをプレイしてる妄想してました…。うへへへ…」
「君は彼のことになると、結構知能が下がるようだね」
「先輩もっとオブラートに包めないですか?」
「私は不器用だから出来ない」
「心が不器用な学年主席なんて聞いたことありませんよ…」
そんな会話をしながら校舎の4階の最奥、旧視聴覚室へ行く。新しい会員をあいつはどのように歓迎してくれるのか…。早くリアクションが見たい。
「あのっ! 咲良さんっていますか?」
「咲良さん…、北澤さんかな?」
「そう、その北澤さんいます…?」
「涼くん! 早く見学行きましょう!」
と言って後ろから突撃された。痛いが、かわいい。でも痛え…。とか思いながら部室までの少々の距離を歩く。歩きながら、咲良さんが質問してきた。
「そういえば涼くん、リーダーさんはどんな人ですか?」
「うーん、ウ◯娘のアグネスタ◯オンとテイエム◯ペラオーを足して二で割ったけど結局オペラ◯ー要素より◯キオンさん要素の方が強くなった感じの人」
「分かりづらそうで分かりますね…。ちなみに私の推しはミスター◯ービーです!」
「僕はマチカネ◯クキタルかな…。ほんとに好き…!」
「◯マ娘のキャラはみんなかわいいですよね! みんな推せる要素が多い…!」
「わかる、ものすごくわかる! 映画も見に行きたいし…」
「じゃあ今度の週末見に行きませんか? 私もめちゃくちゃ見たかったんで!」
「いいの!? あ、そうだ。いろいろ情報とか共有したいからRINE交換してもいいかな?」
「涼くんなら全然歓迎! いいよ!」
「ありがとう、咲良さん」
旧視聴覚室までの移動時間で、RINEを交換したり、ウマ◯の話をしたりと、ものすごくいい時間を過ごせた気がする。
「旧視聴覚室は…、ここかな…?」
「ここ見たいですね。早く入りましょ!(わくわく)」
「じゃあ入ろっか。し、失礼しまーす」
ノックをして、扉を開けるとそこにはー、遥せんぱいに押し倒されている瑚都さんの姿が…。えっと…、どうして…?
作者のひとこと
おはこんばんにちは、作者の柑橘です。好きなものはラーメンです。HAHAHA.
今回は前回に引き続き、セリフ多量の回でございます。作者、情報量の多さで死にそうなので誰かたすけて…。助けてくれた方には、うちの市のふるさと納税の返礼品を上げますん。
えー、冗談は置いといて、話は変わるのですが、 アグネス◯キオン先輩は実際にいて欲しい人ランキング第一位です。でもやっぱりオペ◯オーさんブレンドした方が私の癖に刺さりますね⭐︎
最近のひとことは、なんというか後書きっぽさがありますねえ。HAHAHA.
では、今回はここまで。また次の話でお会いしましょう。
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