第6話 先輩の女子とも仲良くなってる…?
普段解放されているはずの屋上だが、今日はなぜか入れなかったため僕のおすすめ昼食スポットへと案内する。自分の人生の中で誰かと一緒にお弁当を食べるのは初めてなので、昨日の勉強会と同じくらい緊張している。
「着いたよ、咲良さん。美術室の裏の木陰が僕のおすすめスポットだよ」
「涼しくて静か…。屋上より好き! 涼くんよくこんなところ知ってたね!」
「ずっと一人だったから、よく学校内を探検してたんだよね。そしたら、結構静かで涼しい場所を発見したわけ」
「なるほど…。なんか、悲しい理由だね…」
「うん…。自分で言ってて悲しい…」
「ま、まあまあお昼食べよ! 昼休み終わっちゃうし! うわぁ美味しそー!」
咲良さんが場を明るくしようとしてる…。僕も何かしないと…!
「あ、そうだ咲良さん、僕のお弁当の卵焼き食べる?」
「えっ!? いいんですか!? いただきます…!」
もぐもぐと卵焼きを頬張り満面の笑みで僕をみる。かわいい。
「涼くんこの卵焼き美味しすぎるよ!! ふわってなって、もう幸せ!」
「そこまで褒めてくれるとは思わなかったな…。これは作り甲斐があるな…」
「え、これ涼くんが作ったの!? すっごいね!!」
「家でやることなくて、家事は一通り覚えたんだよね」
「すごいです! 今度教えて欲しいくらいです!」
「時間があったらね。ほら、同好会入るなら一日の動き方変わっちゃうでしょ?」
「ふむふむ…。あ、そういえば涼くん」
「そもそも僕はー、何? 咲良さん」
「そのハンバーグ食べてもいいですか? (じゅるり)」
「多分だけど僕の話聞いてなかったでしょ?」
「家事の話ですよね? それよりハンバーグください」
「半分こね」
「やった!」
小さく喜ぶ咲良さん、かわいい。でもこのハンバーグちょっと作るのミスっちゃたんだよなあ…。それでも咲良さんは美味しいと言ってくれるのだろうか…?
「うん、美味しい!! 今まで食べたハンバーグの中で一番美味しいよ!!」
「ほんと!? いやー、大袈裟だけど嬉しいなー」
「大袈裟じゃないよ! 本当に美味しい!」
「ありがとう…。褒められるの慣れてなくてちょっと泣きそう…」
「これからは私が褒めてあげますから! だから私の分のお弁当も作ってきてくれると嬉しいなー、なんて」
「まあ一人分も二人分も変わらないからいいけども…。僕が作るやつでいいの?」
「涼くん『が』作ったお弁当がいいの!」
「そ、そこまで言われると照れる…」
「涼くん照れるのかわいい…」
「かっ、かわいい? 僕なんかがかわいい訳ないでしょ、咲良さん」
「全然かわいいと思います!」
「断言されると反応に困るよ…」
と言った感じで、楽しくお昼ご飯を食べた僕たちは予鈴が鳴る前に自分たちの教室に戻ってきていた。
「それじゃあ、また放課後ね。咲良さん」
「はい、涼くん! 一緒に行きましょうね!」
別れ際に放課後の打ち合わせをし、自分の席に戻ろうとすると目の前には瑚都さんが仁王立ちしていた。しかも顔が少し怖い。
「こ、瑚都さん…? どうしま…
「なんでもないよー」
「絶対何かある人の言い方ですよそれ…」
「なんでもない! あと敬語いらない!」
「ご、ごめん…? 僕なんかした…?」
「そうそう、今日の席替えで涼はわたしの隣になったから。これから勉強いっぱい教えてね!」
「…はい?」
「だーかーらー、わたしと席が隣り。お隣さん。
「うん…。よろしくね…?」
「うん! よろしく!」
という謎の会話をしていたら、本鈴がなり次の教科の先生が入ってきた。
今日初めて受ける授業、なんか新鮮だなーと思い左側を見ると、瑚都さんがこっちを見てる見てる。そして目が合って、即逸らされる。なんで?
憂鬱、と言っても二時間分しか受けてないからそこまで負のダメージは蓄積されておらず、清々しい気分で放課後を迎えている。何この感じ、クセになる。
今日はこの後同好会の見学あるなーとか思いつつ準備をしていると、前方の扉が大きい音をたて開く。扉の向こうには午前見た遥せんぱいが…!
「りょう! 迎えに来たぞ!!」
「涼、誰あの先輩…?」
なんでこう、めんどくさいことになるかなあ…。
作者のひとこと
ねむい。その一言に限ります。今回の文字数の少なさは、場面を切るタイミングが難しかったからです。決してサボりたいとかそーゆーのではないので。まじです。
もうそろ始めて一週間ということで、まだまだ頑張っていきます!!
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