第2話 はらわたはまずいです。
こんにちは、こんばんわ。
コヨーテです。
兄と村長から追い出されました。いやぁ〜何回も前から言われてたんですけど〜忘れてたんですよね〜今日出ること。
くそ………即興駄々こねはだめだったか……
「海が…きれいだな。」
と、空を見ながら言いました。
足元に、何かを皮に包んだ巾着がある。多分。
多分兄が投げ込んだものだろうと思う。
また、横には漆黒の両刃の斧がある。これははっきり視界に入っているから確実だろう。
これは…村長だな。
といってもこの両刃の斧は父の形見だ。父が死んでからずっと村長の元にあった。父は村では英雄と崇めらていた。
優しいな…村長。
こんな俺に村の宝を持たせるなんて。
「よいしょ」
身体を動かして両刃の斧の刃先に縄を当てた。
完全に解けた縄を見ながら身体を動かし慣らす。
「なんだぁもう岸じゃん」
________________
巾着はそこまで大きくなかった。
入っているから物として
ナイフ、ロープ、工具(カンナやトンカチとか)、小瓶、木炭(筆記用具)、白紙の本(メモ帳)、小瓶。
ぐらいだった。家でも作れっていうのか………兄さん。せめて干し肉ぐらいは入れて欲しかった。
まあ…気を取り直して。
まずは衣食住の確保である。せめて水は欲しい。が、海水は飲めたものじゃないし、火を使って海水から水を作る方法もあるが、それには大きな鍋が必要だ。川を探すという手もあるが、近くに川がない場合、無駄に体力を消耗する。
かくなる上は………
獣の…生き血………
巾着の紐を分解して腰に着けれる様にした。これで両手が空く。
そして熊。赤い毛の。
浜辺を少しでて、すぐに襲ってきた。
多分狙っていたんだと思う。浜辺を少しでた辺りは漂流物で足場が悪くなるなっていたし。
いや、にしてもデカいな〜。案外弱かったけど。
あ、肉球だ。わぁ〜ぷにぷに〜。
とりあえず。生き血を。
「命に感謝。
ぢゅるるるるるる……
ゔぇ……。」
これからどうしよう。腸を吸いながら考える。
生臭いなぁ。これを毎日と考えると…川を探そう。
早急に。
腸を食べ尽くしたので残った肉は埋めといた。多分量的に明日の昼間では飯無しでも大丈夫だろう。
それに、できるだけ小動物を狩っていきたい。余った肉が多いしな。
日は高く昇っていた。なんとなくでその日を見ながら、俺は樹海に足を踏み入れた。
トゥルーレの謎〜世界放浪で嫁探しに旅に出たこと忘れてました〜 海街 鯨 @OrcinusVorca
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