第8話「不安」
20XX年4月15日14時25分。山中。宿まで30分。
「・・・。遠藤殿、なぜあなたは箱根へいらしたのですか?」
「まぁ、ちょっと用事があって。」
「ほう、、、」
明らかに何かに気付かれてる感じがしたが気にしないようにした。
「リリス、あともう少しだよね。」
「そうだな。あと25分くらいでつくはずだ。」
「わかった。優姫は大丈夫か??」
「うん、、、」
(大和、聞こえるか?)
(あぁ、聞こえるよ。)
(お前、指先の感覚はまだあるか?)
(うん??)
優姫と手をつないでる方の手を見ると青ざめていた。
(まぁ、普通にあるよ。)
(・・・。そうか。)
20XX年4月15日14時57分。宿の前。
「では、遠藤殿。私は先を急ぐゆえ、さらば。」
「ありがとうございました。」
「無事到着したな。優姫、受付をしに行こう。リリスと優姫同じ部屋の方がいいから2部屋あいてるといいな。」
「そうだね。」
フロントに確認しにいくと1部屋しかあいてないとのことだった。
仕方なく3人で1部屋を借りた。俺は早めに風呂に入った。
風呂から出るとリリスは何か調べ物をしており、優姫はベッドで眠っていた。
「手は大丈夫か?」
「あぁ、まぁ、優姫の不安やマイナスの感情がそんなに出てなかったから大丈夫だったよ。ちゃんと動くし。」
「それならよかった。それにしてもさっきの貂ノ原とかいう男やばそうだぞ。」
「え?」
「『天ノ剣聖』とかいう日本で5人いる剣豪の一人らしい。」
「そんなにやばいのか・・・。でも、害がないなら大丈夫なのでは?」
「いや、そうとは言い切れん。彼の趣味は『異能者討伐』らしい。」
「『異能者討伐』?」
「いわゆる『異能者狩り』っていうやつだ、過去には凶悪な異能者だけではなく、異能力を持ち始めて間もない一般人も彼によって狩られているらしい。」
「まじか・・・。そんなやつがここにいるってことは目的は・・・。」
「おそらく雪鬼討伐に来たんだろう。彼はやとわれとかではないから私欲のためにこちらに来たんだろう・・・。」
「・・・。」
「これは、結構な話になってきた。どうする・・・。」
「いったん、箱根を離れないか?・・・。近江屋に戻ってもいい気がする。」
「確かにそれはそうだな。優姫が起きたら相談をしよう。」
20XX年4月15日16時11分。宿の部屋。
「ごめん、私寝てた・・・。」
「疲れてたからな。大丈夫だよ。・・・。それでさ、優姫。さっき貂ノ原ってやつと会っただろう。あいつは相当なやつらしく俺らはここを離れたほうがいい気がするんだ。」
「箱根を離れるってこと??」
「うん、ここまできたけど。また時間を空けてこようかなって。」
「・・・。そうだよね。こればかりは仕方ない気がする。」
「・・・。悪いな。明日の朝早くに出て昼前には近江屋に帰れるようにしよう。」
「わかった。」
俺ら三人は一度箱根の山を下りることにした。
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九十九異能者物語 “泉黎” 白木飛鳥 @Shiraki_aSuka
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