串刺し

 ホテルのロビーで、「先生、今日のインタビュー、使えますね。特ダネかもしれません。今度のサタデー・ホットラインで、生首伝説殺人事件と名打って大々的に特集をやりたいと思います。先生もご協力をお願いします」と西脇が舌なめずりをしながら言った。

「僕も驚きの連続でした。しかし、西脇さん。生首伝説殺人事件と言うのは、ちょっと生々し過ぎませんか?」

「いいんですよ。ネーミングは衝撃的な方が、視聴者に受けがいい」

「正直、もう少し時間が欲しかったですね。美嶽さんには、まだまだお伺いしたいことが、いっぱいありました」

「ああ、そうですね。先生は宝来家のことを、もっと聞きたかったのでしょう?」

「伝説通りなら、次の犠牲者は宝来家の人間ということになります。娘さんも心配ですが、伝説通りなら標的は男でしょう。直樹さんでしたっけ?行方不明になっている若者のことが気になります。単なる家出なら良いのですが。東野正純さんも最初は単なる外泊だと思われていました。直樹さんの安否を確かめることが、目下の急務かもしれません」

「宝来直樹が殺されて、何処かに吊るされている可能性がある訳ですね。山口放送局に調べてもらいましょう」

「伝説通りなら串刺しでしょうけど、是非、お願いします。今回の殺人事件が、生首伝説をなぞらえて行われているとすると、犯人は当然、生首伝説のことを知っている人物ということになります。となると――」

「となると、何です?」

「いえね。美嶽社長も容疑者の一人になるなと考えていました」

「まさか、あんな人の良さそうな社長さんが?」

 根っからのお人よしの圭亮だが、こういう冷酷な面があるのだと西脇は驚いた。

「まあ、美嶽社長が犯人なら、こうして、わざわざ生首伝説の存在を我々に伝えたりするはずありませんから違うと思うのですが。でも、まあ、逆に裏をかいて伝説を我々に教えた、なんてこともあるかなと思ったりします」

「先生にしては、随分、うがった見方ですね。意外に人が悪い。先生、本当は結構な悪人なのですね。僕も気をつけないと」

「止めて下さい。確かに、せっかく生首伝説を教えて頂いた美嶽さんに対して、失礼でした。第一、我々はそんな裏をかかなければならないほどの大物じゃありませんからね」

「いえいえ、先生はなかなか大物ですよ」

「はは。大物と言っても、体が大きいだけでしょう」

「ええ、まあ」と西脇は否定せず、「そうそう、先生」と言った。

「何です?」

「現地に行ってみませんか?振袖の町を実際に見ると、良い推理が頭に浮かぶかもしれません。あっさり事件の真犯人が分かったりして」

 以前、藤代に言われたことだ。東野正純犯人説が有力になり、現地取材は遠のいた気がしていたが、今日のインタビューで少し盛り返した気がしていた。やはり東野正純は犯人ではない。犯人は他にいる。そういう思いが強くなっていた。

「僕が現地に――ですか?」

 圭亮が意外そうな顔をする。自分は単なるコメンテーターであって、実際に事件を捜査しても仕方がないとでも言いたいのだろう。

「事件が連続殺人事件だとなると、報道局長のゴーサインをもらえるかもしれません。先生が現地入りするなら、うちとしても全面的にバック・アップします。面白い絵が撮れそうだ」

「え~僕のような素人が探偵まがいなことをやるなんて無理ですよ。警察の捜査の邪魔になるだけです」口ではそう言うが嬉しそうだ。ニヤついている。それこそ金田一耕助のように、事件関係者を一同に集めて、謎解きをする自分の姿を想像しているのかもしれない。

「大丈夫。先生なら、きっと事件を解決できます」

「煽てても、僕は木に登りませんよ。高所恐怖症なので、高いところは苦手ですから」

「じゃあ、尻を叩いて、先生を木に登らせなければなりませんね。最も、先生が登るのなら細い木だと折れてしまいますけど」

「はは」と高笑いする圭亮に、「ところで先生、噂通りの美人でしたね」とカマをかけてみた。

 圭亮は独身だ。

「奈保子さんですか?」

「おや、もう名前を覚えたのですね」

「別に、そういう訳では・・・」と圭亮が口ごもる。

「今井町に取材に行けば、また奈保子さんと会えますよ」

「いや、もう、西脇さん。お忙しいでしょうから、僕はここで失礼します」

 圭亮は逃げるように地下鉄駅へ歩いて行った。


 サタデー・ホットラインは生首伝説殺人事件という衝撃のテロップで幕を開けた。

 西脇の賭けだった。世間では事件は既に終わったことになっている。その殺人事件を源平時代の血生臭い復讐の歴史に基づいた連続殺人事件としてトップ・ニュースに持ってきた。

 生首伝説のことを聞いた宮崎は西脇の決断を面白がってくれた。「いいですね。世間をあっと言わせてやりましょう」

 東野正明に取材をしたこともあって、宮崎は事件がこのまま終わってしまうことに物足りなさを感じていたようだ。

 郷土の歴史家として美嶽貴広が紹介され、ホテルで撮影されたインタビュー映像が編集され放送された。但し、宝来家の名前はA家として伏せられた。

 現時点で碇屋恭一と東野正純の二つの事件を結びつける証拠は見つかっていない。警察は二つの事件の関連性については捜査中だという発表をしただけだった。正直、東野正純が碇屋恭一殺害の犯人だったとしたら、今回の放送は問題視されるかもしれない。だが、現時点で警察にその動きがない以上、賭けてみる価値はあった。

 碇屋恭一の胴体部分が発見されたという発表もない。反対に、「まだ確実ではありませんが」と前置きがあったが、東野正純の死に不審な点が見られるようだという情報を藤代が掴んでいた。山口県警が東野正純の交友関係を調べていると言うのだ。自殺では片づけられない何かがあるのだ。

 連続殺人事件として報道するのは危険な賭けだったが、ショッキングなニュースを渇望する視聴者にとって生首伝説は恰好の話題となるはずだ。

 高階経章の謀殺から泰章の復讐までの下りが、紙芝居仕立てのアニメーションで要領よく説明された。短期間で製作された割に良くできたアニメーションだった。

 源平時代の碇屋嘉平とその子孫の恭一、東屋利右衛門と同じくその子孫の正純の殺され方が伝説に酷似していることが、派手な音響効果と共に、若手の羽田アナよりフリップを使って紹介された。

 MCの宮崎にカメラが向けられる。

「殺害方法まで、生首伝説と同じということですね?」

 宮崎は今回の事件が源平時代の生首伝説を模倣して行われていることを、羽田への質問を通して視聴者に印象付けようとしていた。

「はい。伝説と同じ殺され方で、碇屋恭一氏と東野正純氏は殺害されています」

「高階泰章という武将は碇屋嘉平の生首を神社に供えて、いずことなく去っていったんですね?」

「はい。碇屋恭一氏は頭部を切断され、首が神社に供えられていました。今回の事件は、その状況を酷似しています」

「そして、東野利右衛門という人物は木に吊るされて殺された?」

「はい。これも東野正純氏の遺体発見状況と同じす」

「驚いた~正に伝説通りですね!」

 息の合った芝居を見ているかのようだ。視聴者は伝説通りに人が殺されていることを意識したに違いない。モニタールームで西脇がにやりと笑った。

「鬼牟田さん、先生のご依頼で、番組が独自に入手した生首伝説、どうご覧になりますか?」宮崎が圭亮に質問を振った。

「大変、興味深い話だと思います。犯行が伝説を倣って行われているとするなら、二つの事件の犯人は同一人物である可能性が出て来ます」

 これが番組の言いたかったころだ。危険な賭けだ。

「なるほど、一見、手口がばらばらで、無関係に見える二つの殺人事件が生首伝説というフィルターを通して見ると共通性のある連続殺人事件として見えて来ると言うことですね」

 宮崎が巧みに圭亮の言葉をフォローする。

「はい。それに犯人は伝説のことを良く知っている人物だと言えます」

「なるほど~なるほど。生首伝説のことを良く知っている人間が犯人だと」

「もし伝説と同じように、犯行が同一犯の仕業だとすると、この手の連続殺人犯はパターンに拘ると言います。三件目の殺人事件が起きる可能性が高いのではないかと、それだけが心配です」人の良い圭亮は心から心配そうな顔をした。

「事件はまだ終わっていないと言うことですね?」

 更に危険な一歩を踏み出す。東野正純が犯人であった場合、番組はパッシングを浴びることになるだろう。

「その可能性があります。伝説では振袖村を支配していた三家の人間が、それぞれ高階泰章により殺害されています」

「鬼牟田さんは行方不明になっているA家の人間がターゲットとなる可能性があるとお考えなのでしょうか?我々の調査でA家には娘さんがいて、更に長男が一か月前より失踪していることが分かっています。彼らの身に危険が迫っているとお考えですか?」

「その可能性が高いのでは無いでしょうか?いずれにしろ、行方不明となっているA家の息子さんの安否を確かめることが目下の急務だと考えています。それに、碇屋氏、東野氏が亡くなっている以上、事件解明の糸口を握る非常に重要な人物なのかもしれません」

「他に何か生首伝説から分かることはありませんか?」

「そうですね。犯人が生首伝説をなぞらえて犯行を行っているのだとすると、犯行の動機は復讐なのかもしれません」

「復讐ですか!」宮崎が声を上げる。

 碇屋恭一、東野正純、それにA家の長男の三人が誰かを傷つけ、その復讐が行われているのではないかと言っているようなものだ。

 圭亮のコメントは即興だが、事前に宮崎がどういう質問をするのかは、予め伝えてあった。ここまではほぼ、打ち合わせ通りに進んでいた。すでに十分、効果はあった。

 これ以上は危険だと宮崎は判断した。「分かりました。今後も警察の捜査の進展を待ちたいと思います。ところで、鬼牟田さん。事件の取材のために現地入りを考えていらっしゃるとお聞きしましたが?」

 話題を変えた。この質問は事前に用意されていなかった。宮崎のアドリブだ。西脇の顔が曇る。もともと西脇が世間話のついでに宮崎に話して聞かせたものだ。報道局長の了解を取っていない。今、番組で取材旅行のことをしゃべられてしまうと後々、面倒だ。

 不意打ちをくらった圭亮は「えっ⁉」と戸惑いの表情を浮かべた。「いえ、まだそこまでは・・・」

「我々、サタデー・ホットラインと致しましては、鬼牟田さんの現地入りを全面的にバック・アップして行きたいと考えます。鬼牟田さんが現地でこの事件を快刀乱麻、解決してくれることでしょう」

 宮崎が厳粛な表情でニュースを締めくくった。

 生首伝説殺人事件の後、一週間のニュースが続き、週間天気予報のコーナーに入った頃、久美がモニタールームにやって来た。

「西脇さん。凄い反響ですよ。問い合わせやら、何やらで、電話が鳴りっぱなしだそうです」と顔を赤くして教えてくれた。

「よしっ!」と宮崎はガッツポーズをした。

「うちにすっぱ抜かれた他局が、今頃、慌てて確認に走り回っているみたいです。美嶽社長からも先ほど電話があって、他局から取材の申し込みが殺到しているけど受けても良いのかと聞かれました。どうします?」

「そりゃあ、うちの専属でお願いしたいところけど強制は出来ないよね~そう答えて」

「はい」久美がスキップをしそうな勢いで出て行った。

 番組が放送を終えた。

 スタジオに顔を出すと、圭亮が「宮崎さん。勘弁して下さいよ~いきなり番組で現地入りの話をされて焦っちゃいました」と宮崎に泣き言を言っているところだった。

「先生、取材旅行、OKが出るかもしれませんよ。すごい反響です。明日の週明けの視聴率の発表が楽しみだ」西脇が二人の会話に割って入った。

「反響がすごいのですか?」宮崎が食いつく。

「問い合わせやらクレームやら、山ほど来ているらしい。それに~」と言って西脇はにやりと笑った。「他局が後追いに動いているようです。美嶽社長のところにも確認の電話があったそうだよ~取材をさせて下さいと」

「おおっ!」今度は宮崎が歓声を上げた。「いや~苦労した甲斐がありました」

 自分も苦労したと言いたいのだろう。西脇は如才なく「これも宮崎ちゃんの取材のお陰だよ~」と持ち上げておいた。


 驚いた。予想外の展開だ。いや、ある意味、予想通りの展開と言えた。第一報は思いもよらないところからもたらされた。

 情報源は美嶽奈保子だった。

 インタビューが行われたあの日、あの短い間に、アシスタントの田中久美は美嶽奈保子と連絡先を交換していた。今しがた、奈保子から久美に電話があったと言う。奈保子の話の内容に驚いて、久美が西脇に電話をかけてきた。

 日頃の寝不足から、家にいる時は半分寝ている状態だ。この奈保子からの連絡がサタデー・ホットラインの放送が終わり、久々、自宅でくつろいでいた西脇に爆撃を食らわせるようなショックを与えた。一気に目が覚めた。

「死んだ~⁉ 殺されたのかい?」

 思わず声が大きくなる。受話器の向こうで久美が答える。「みたいです」

「だ、誰が? 誰が殺されたって言うの?」

「まだはっきりとしないそうですけど、恐らく宝来宗治さんじゃないかという話です」

 奈保子によれば村外れの宝来家に警察官が大勢、押し寄せている。宝来家には現在、宗治しか住んでおらず、何かあったのなら宗治に違いないと言う。

「もっと詳しいこと、分からないの?」

「無理です。奈保子さんだって、お母さんからのまた聞きなのですから」

 地元の母親に連絡を取ったところ、宝来家で何かあったみたいだという話を聞かされた。美嶽家は町の有力者だ。あちこち確認を取った結果、どうやら宝来家で死体がみつかったことが分かった。死体が見つかったとすれば宝来宗治以外にいない。

 気にしても仕方がない。あなたは東京観光を楽しんで来なさいと母親から言われたそうだが、奈保子は気になって仕方がなかった。町の友人に連絡を取ったが母親から聞かされ以上のことは分からなかった。いや、宝来家で何かあったなど知らない者ばかりだった。そこでテレビ局なら何か知っているのではないかと、久美に電話をかけてきたのだ。

「鬼牟田先生は名探偵だとお聞きしました。一刻も早く今井の町に来て頂いて、事件を解決してもらえないでしょうか?」奈保子からそう頼まれたと言う。

 電話を切ってから西脇は考え込んだ。

 昨日、放送で宝来家の子供たちに危険が迫っているかもしれないと伝えたばかりだ。父親だったとは予想外だったが、宝来家の人間が殺されたことに間違いなさそうだ。他局の先駆けて仕入れたこの情報をどう使えば視聴率に結び付くのか考えていた。まだ噂に過ぎない情報だ。うかつに公共の電波に乗せる訳には行かない。確認を取る必要があった。

「夜分にすいません」藤代に電話をかけると、宝来家で何かあったようだという伝え「何とか裏を取れませんか?」と頼んだ。

 藤代は興奮した様子で「やってみます。もし本当なら、天と地がひっくり返るような大騒ぎになります。週末の放送、西脇さん、随分、思い切ったことをするなと感心しながら見ていました」とハスキーボイスで言うと電話を切った。

 手早く身支度を済ませると家を出た。

 テレビ局に着くと、寺井がいた。「西脇さん。大変なことになりましたね。きっと来ると思っていました」と言う。

「久美ちゃん、君にも連絡をしたんだ」

「久美ちゃん?」

「宝来家の話、久美ちゃんから連絡があったんじゃないの?」

「何、言っているのです。西脇さん。テレビ、ニュース、見ていないのですか?」

「ニュース?」

「今しがた山口県警から発表がありました。宝来家とは言っていませんでしたけど、今井町でまた死体が見つかったそうです。死体に外傷があり、県警では殺人事件として捜査するそうです。それに――」と寺井が言った時、西脇の携帯電話が鳴った。

 藤代からの電話だった。「やられました。西脇さん」と藤代は言う。

「山口県警から今井町で新たに死体が発見されたことが発表されました。それと併せて、東野正純の死亡推定時刻が碇屋恭一の死亡より前だったことが発表されました」

「東野正純は碇屋恭一が殺害される前に死んでいた⁉」

「必然、東野正純に碇屋恭一は殺せない。東野正純の死についても不振な点が見られ、自殺、他殺の両面で捜査を行っているそうです。騒ぎが大きくなるのを防ぐために、発表を遅らせていたようです。それが三件目の事件の発生を受けて、とうとう隠せなくなった。そこで、一気に情報を公開したのだと思います」

「そう」と答えるのが精いっぱいだった。情報が多すぎて処理しきれない。

「西脇さん。賭けに勝ちましたね。山口県警は連続殺人事件として捜査を行うそうです」

「ああ、そうか」

 助かった。やはり東野正純は犯人ではなかった。もし間違っていたら、報道局長から雷を落とされるところだった。いや、首が飛んでいたかもしれない。

「被害者が宝来宗治だったことまでは確認できていません。詳しいことが分かりましたら、また連絡します」と言って藤代は電話を切った。

 藤代との電話を終えると、西脇は崩れるように椅子に腰を降ろした。やはり、心のどこかで危険な賭けに出たことを後悔していたのかもしれない。ほっとした途端に疲れが一気に押し寄せてきた。

 翌日には遺体発見の様子が明らかになって来た。

 被害者はやはり宝来宗治だった。宝来家は山申神社へと登る参道の入り口にある。神社に一番近い民家だ。

 事情聴取に来た捜査員が宝来宗治の遺体を発見した。

 警察発表では「遺体は激しく損傷していた」ということだったが、サタデー・ホットラインで生首伝説が放送された後だったためか遺体は伝説通りに串刺しになっていたという噂がまことしやかに流れた。

 今井町の事件は連続殺人事件として、再び世間の耳目を集めた。事件は終わったものとして報道を怠っていた他局は泡を食ってサクラ・テレビを追随し始めた。

 西脇は報道局長に呼ばれた。

「西脇さん。素晴らしい反響ですね」

 今度の報道局長は西脇のわずか二つ上、上背こそないが小麦色に日焼けした肌に切れ長の目のイケメンだ。国際部出身で西脇と接点はあまりない。国際関係には強いが国内の事件、事故を扱う社会部の仕事には疎いと聞いている。

「ありがとうございます」

「先週の放送で現地取材の話題が出ていましたが、どうなっていますか?」

「えっ⁉ ああ、すいません。局長にご相談する前に番組で言ってしまって」

 あれは宮崎の独断だ。クレームかと思ったが「何時、相談に来るのかと待っていたのですよ。鬼牟田先生を連れて、是非、取材に行って下さい。他局を出し抜いて、連続殺人事件だと暴いてみせただけでも大手柄なのに、これで事件を解決!――なんてことになったら、番組の注目度がうなぎ上りです。視聴率が跳ね上がります。西脇さん。期待していますよ」と逆にあおられてしまった。

「はい!事件を解決して、うちが独占で放送できるように頑張ります」

 西脇はすっかり舞い上がってしまった。

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