7 告白

  ※※※



梅田さんとの飲み会を終え、二人で智花の家に戻った。



「今までたくさんの女の子に告白されてきたけど、男性は初めてだった」

と伝えると、

「たくさんの女の子ってところが気に入らないわね」

とやきもちを焼かれた。


俺は嬉しくなって智花に抱きついた。

「言われただけ。智花だってモテるの知ってるからね」


智花は俺の胸に顔を当て、背中に手を回した。

「モテないよ。大学の時好きだった人は竜太郎と付き合ったし」

「え?そうなの?」


智花の顔を覗き込んだ。

こくりと頷いて話し始めた。

「竜太郎と私の好みってだだかぶりなの。

だから、晴久と竜太郎が会議室に二人きりになった時に慌てて戻ったし。

アルコールが入ると竜太郎は積極的になるから、今日だって二人きりにしたくなかったのよ」


「ふううううん」

「?」

「俺は智花の好みなんだ」

「え?あ・・・」


智花の顔が赤くなった。

か、かわいいいいいいいい!


ぎゅうううううううっと抱きしめると、

「く、苦しい」

と唸られた。



ごめん、ついと力を緩めてキスをする。


「俺は梅田さんが智花の元彼かと思ってものすごく嫉妬してた。

だから今日会って、付き合ってるんで手を出さないでくださいって言おうと思ったんだ」


「え?そうだったの?」

驚く智花に頷くと、満面の笑みを浮かべた。

そして、俺の首に手を回して抱き付いた。

「嬉しい」


背の低い智花のために前かがみになって抱き返した。

「俺も嬉しい」







今回、俺は人生で初めて嫉妬した。

誤解だったとはいえ、智花は会社で人気の女子社員だ。

智花が別れたというのを聞いて、狙っていた男共が色めき立ったのを知っている。


これから先も男心に疎い智花に振り回されるんだろうな。




なんて考えていると、



「晴久、何考えてるの?」

「え?」

「ちゃんと私のこと考えてて。よそ見なんてしないで」




ううう。か、かわいいいいいいいいい!!!




自分が会社でモテてると気付いていない智花。

よそ見の心配が必要なのは俺の方だ。




ぎゅうッと抱きしめてそっと離す。

智花を見つめて、頬を撫でる。

智花は俺の首に手を回したままほほ笑んだ。



俺は「よっ」と智花をお姫様抱っこした。

「わ、重い重い」

と焦る智花を寝室に連れて行った。





それからゆっくりと・・・・・・







【第3章 おわり】

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「元彼より俺の方が好きって言わせてあげるから、俺にしときなさい。ね?」ー元彼を想って泣いていたら後輩に口説かれました 大町凛 @rin-O-machi

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