第25話 これからの道
「それで……カイ達が聞いた話ってのは?」
「ああ。まぁ端的に話すと一度ケビン教頭に正体がバレた。」
「え……それって普通にやばいんじゃ……」
「まぁな。だけどなんだかんだ黙ってくれるだけじゃなくて、協力してくれるようになったんだよ」
「えぇ……あのケビン教頭が? ちょっとにわかには信じがたいけど……カイが言うなら本当なんだろうな……」
そうして信じられないものを見る様な目で二人は驚いた反応を見せる。
少なくともそれは俺自身も思っていたことだ。それに協力した理由も言ってないだけでまだ何か他にもありそうでもあるし、まだそれほど信用出来たものでもない。
「それでそのケビン教頭は俺が学園に不在の事を上手い事誤魔化してくれるとかなんとか……」
「え? それだけ?」
「あぁ。今の所それぐらいしか言ってなかったな」
「そっか……それでそれを踏まえた上で聞くけど、カイ達はこれからどうするの?」
「うん。一番決めなくちゃいけないのはそこなんだけど……一応俺とアレンの中で結論は既に出ていてな。ケビン教頭に協力してもらう上で一度、村に帰ろうと思う」
「その上で二人の意見も聞いておきたいと思ってな……」
「私たちの意見……って言われてもねぇ……ライン」
「ああ。カイ、アレン。わざわざ意見を聞きに来なくたって俺たちは最初から協力する気満々だぜ?」
「二人とも……」
この返答は少なからず予想はしていたものであっても、それでもその返事に俺の心は嬉しさからか、ざわめきだす。
「さてと……とりあえず結論は出たし、その日時はまたその時に教えてもらうとして……ミナ。話したいことがあるんでしょ?」
「えぇ……そうね。カイ。悪いけど今からアレンに変わってもらってもいい?」
「? 別にこの状態でもアレンは会話は聞こえてるぞ?」
「そういう意味じゃなくて! ちゃんと直接話がしたいの……駄目?」
「まぁ、そういう事なら……それじゃあ変わるよ」
アレン (アレン⇔カイ)
「えっと……変わったけど。話って?」
「その前にここじゃ話しづらいから、場所変えない?」
「う、うん……」
彼女にそう言われ、寮までの長い廊下の途中で話すことにした。
「それで……話っていうのは?」
わざわざラインがいる場所から離れて話したいと言ってたほどなので内容もよっぽどの事なんだろう……
「うん……その、アレンが村に向けて旅立つ時に、私も一緒に行きたいと思ってるんだけど……駄目かな?」
「え? ミナも?」
彼女からそのような提案を持ちかけられるとは、さすがに僕自身も驚きを隠せないでいる。今までそんなそぶりも見せてなかったのに……
「えっと……どうしてまたそんな急に?」
「単にアレンの事が心配もあるけど、そのアレンの村に行っていたいのも理由の一つ。だけど本当はもう一個あるんだけど……それは行く時に伝えたい……駄目?」
「うーん……それ自体は構わないけど学園側への理由はどう説明するの?」
「そこは安心して? お父様に言えばそれなりに協力はしてくれるから」
「そっか……うん。とりあえず話は大体わかったよ。けど一度考えさせてもらって良い?」
「うん。ぜひそうして……良い返事を期待してる」
そう言って彼女を置いて僕は自分の量の部屋まで戻って行ったのだった。
───────
あとがき
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