からかいメイドさんと過ごす甘々な一日~ひきこもりの僕とやさしい君~
涼
「おはようございますご主人様」
(SE:朝方、外から漏れ聞こえるのどかな鳥のさえずり)
(SE:ゆっくりとドアに向かって歩く主人公の足音)
(SE:ガチャ。ドアを開ける音)
(状況:寝室のドアを抜けた先でメイドさんと鉢合わせる)
(少し驚いている様子で)
「あっ」
「……おはようございますご主人様」
「……はい、ちょうどいま起こしに行こうとしたタイミングでドアが開いたので、ちょっと驚いてしまいました」
(ちょっといたずらっぽい感じで)
「だってご主人様が自分からお目覚めになるなんて初めてですもん。普段はいやだ~!まだ起きたくない~!みたいな感じで、布団にしがみついてでもベッドから出ようとなさらないのに。それが今日になってヌルっと寝室から出て来るなんて、明日は雪でしょうか?」
「……ふふ、からかってるように聞こえたなら申し訳ありません」
(小声でボソッと。ちょっと照れてる感じで)
「ただ、今日のおでかけ、そんなに楽しみだったんだなーと思って」
(何かに気付いた様子で)
「……あ、少しお待ちくださいね」
「失礼します……」
【※ここから声が耳元まで近づく。声量は囁きまでいかない程度に抑えて。演技はところどころ間を持たせて、手先に集中しながら喋っている感じで】
(状況:メイドさんが主人公の頭の後ろに手を回し、髪を整える)
(SE:頭の後ろで髪の毛を触る音)
「後ろの方、また寝ぐせになっていますよ。ちょっとだけこのまま我慢できますか? すぐに整えしますから」
「……ん、なんですかモゾモゾして……あ、すみません。急に近づいたら、ドキドキしてしまいますよね。ここまで異性と接近する機会なんて滅多にありませんから。でもダメですよ、美少女が目と鼻の先に居るからって、手を出そうとか考えたら」
「……すごい慌てっぷり。まさか図星ですか? エッチ」
「ふふ、わかっていますよ。ご主人様はそんなことしようとする人じゃないって」
「仮にちょっとそういうことを考えたとしても、まあ男の子なら多少は仕方ないですし、妄想に留まっていれば追求する理由もありません。思う存分わたしで……え、髪の毛ですか。露骨に話題を逸らしますね……」
「はい、いつも通りすっごい跳ねっぷりです。癖っ毛体質なんですかね。毎晩わたしがドライヤーをかけているのに、これですもん。寝相が影響してるのでしょうか……? それとも枕が合っていないとか……」
(ちょっと焦る感じで)
「……え。そ、そんな大丈夫ですよ。謝ることじゃありません」
「毎朝寝ぐせになってたとしても、わたしがちゃんと整え……します……から……」
「これでよし……」
【※声が耳元から離れる】
「整いましたよ。いつも通りの凛々しいご主人様です」
「手櫛で繕っただけですから、またあとでちゃんとセットしますね。先に朝食の用意ができていますので、食卓に向かいましょう」
(不思議そうな感じで)
「……はい、おっしゃる通り、ご主人様のお好きなベーコンエッグトーストです。どうしてわかったのですか?」
「……ああ、匂い。確かにそう言われれば、焼いたベーコンの匂いがこっちまで香ってきています。ご主人様の好み通りに、弱火でカリカリになるまでじっくりと時間をかけましたから。さすがは鼻がお利きになるのですね」
「では、冷めないうちに召し上がりましょうか……」
からかいメイドさんと過ごす甘々な一日~ひきこもりの僕とやさしい君~ 涼 @kyoto_no_ryo
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