世界顕現
この世界において、固有魔法が特別であり、最強として扱われる理由。
それは純粋に固有魔法そのものとしての効果が強いのもあるが、何よりもその応用性が評価されている。
魔法の解釈を広げることによって使えるようになる拡張魔法。
これだけで数種類は作れる。
また、拡張魔法以外にもその逆を行って出力そのものを底上げする縮小魔法であったり。
固有魔法が出来ることは実に多種多様だった。
「世界顕現───豊穣の園」
そんな中で、固有魔法の極致。
いや、すべての魔法の極致ともいえるような術───その名を、世界顕現。
世界顕現。
それは間違いなく最強だった。
「……馬鹿、なっ」
自分の魔法を、最大限にまで、理解し、それをどこまでも広げる。
そうすることによって、出来上がる空間。
自分の魔法によって、この世界そのものを塗り替えてしまうのが世界顕現である。
当然、出来ることも多い。
「し、信じられない……その年で、世界顕現を使えるというのか?ありえない……」
だが、当然のようにその難易度も高い。
僕が平然と使っているのを見て、ゲームでは死ぬ瞬間でさえ、敬語のままだった男、ミレージャが敬語を外して驚愕するくらいには強いのだ。
「まだ、使えるようになったばかりの不格好なものだけどね」
世界顕現を使えるようにはどうすればいいか、そのコツは何か。
それらは散々とゲームの会話に出てきていた。
一番最初に世界顕現を出来るようになった主人公へと、周りのヒロインたちが聞いていくという図がずっとあったからね。
その会話の中に出てきたやり方等を自分自身で実践することによって、僕は何とか世界顕現を実現にまでこぎつけたのである。
「そんなつまらないもので、許してほしい……その上で、実験に付き合ってくれよ」
「……絶望的な状況ですね、これは」
それほどのチートをしてなお、まだ、僕の魔法は未完成である。
だが、それでも、僕は実践のこの場で魔法を発動させ、ミレージャと向き合うのだった。
史上最強の悪役貴族に転生した僕は主人公の友達になろうと思います!……えっ?幻の主人公の男の娘化BLエンド!? リヒト @ninnjyasuraimu
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