カクヨミ短歌10首

菜の花のおしたし

第1話 床花

おこうこで

水冷飯(みずひやめし)を

かっこんで

お茶引き女

立膝あらわ



まぶもちの

姐さん住み替え

どこにいくん

地獄めぐりや

うなじが泣いてる



新造の

中に見つけた

妹に

なんであんたが

鬼灯潰す



地蔵盆

流したあの子

歳数え

遊ぶ子ら見て

酷(むご)いこと侘び



顔なんて

覚えてへんし

抱かれれば

癖でわかるて

汚れたもんや



布団部屋

肺病病み

朋輩へ

水蜜桃を

握らせ拝む



長雨が

続けば不作

お決まりや

うちの借り入れ

重たなるなあ



立ち姿

舞に三味かて

負けてへん

床下手直し

おかあはん言う



新造の

丹後訛りを

からこうて

皆で笑う(わろう)て

童女にもどる



大店の

若だんさんに

ほのじのじ

身請けされたい

流し目ちらり































































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