宵闇に咲く華、溟闇を寫す

宵闇に響き、咲く。華々の美しさは
一瞬の刃に。光と音は、恐ろしいもの。
それでも一目、花火を見てみたいと願う
その娘が見たものは。
激しい音に戸惑い、恐ろしい光に眼を
焼かれながらも見たものは何だったのか。

余りに弱い彼女の眼には、人には見えない
ものが映る。人が見ないものを寫し出す。

暗い夜空に、幾つもの美しい華が開く。
 それを見つめるモノは、果たして

人ばかりではない。