第七章 好きな女が夏祭りに行こうと誘ったがそこでも大事件が発生したんだが
海から帰った日。
その日、結局、有美とは、別々に帰ったんだが。
彼氏とのデートから帰ってきた優子に一言。
「また、有美ちゃんと喧嘩したんだって?!どうせ、お兄ちゃんがスケベ心を出して、有美ちゃんを怒らせたんでしょーが。有美ちゃんに、謝りなさい!!」
そう怒鳴られて、反省した俺は、有美にLINEしてみた。
スケベ心というところに、ちょっと腹が立ったが、まぁ、下心は、あったと思う。
兎に角、俺が悪いのだから、もう一度、謝ろう。
ーLINEの会話ー
『有美……。今日は、ごめん。俺が悪かったよ。』
既読つかない。
まぁ、そうだろうな。
有美の事を置いて帰って来てしまったし、怒ってて、当然か。
そう思った時、既読がついた。
『ごめん。お風呂、入ってた。もう、いいよ。私も悪かったし。』
『ほんとに、ごめん。あの後、一人で帰ったのか?』
『偶然、彼氏の車で帰ってた優子ちゃんと会って、家まで送ってもらったんだ。』
『そうか、良かった。』
しばらくの時間が過ぎた。
そして、有美からLINEの返信。
『私……誠の事、嫌ってなんかいないから。ずっと、子供の頃から一緒に居て、誠の事は、良く知ってるし。』
そうなんだよな。
有美は、いつも、俺の側に居てくれた。
小学生の頃、好きな子にフラれた時も、泣いてる俺の側に居て、ずっと、慰めてくれたっけ。
何も言わず、ただ頭を撫でてくれて……それでも、俺は、すぐに立ち直る事が出来たんだ。
水泳大会で緊張して、プールサイドで、派手に転んだ時も、傷の手当てをしてくれて。
水泳のクラス対抗で、負けて、悔しくて、隠れて泣いてた時も、俺を探して見つけてくれて、有美の前なのに、大声で泣く俺の側に、黙って居てくれたっけ。
『……ありがとな、有美。』
『何が?』
『いや……。兎に角、ほんとに、ごめん。』
『もう、いいってば!』
怒りん坊で、泣き虫で……だけど、すぐに、さっぱりしてて、よく笑って。
『それよりさ。今度の日曜日、町内の夏祭りがあるじゃない?一緒に行かない?』
『俺を誘ってくれるの?』
俺がそう返事を返すと、すぐに有美の返事が返ってきた。
『当たり前でしょ。誠は、私の彼氏なんだから。』
有美……。
やっぱり、俺……お前の事が大好きだ。
『うん、行こう。』
『やったー!!私、ママに浴衣を着せてもらうんだー。』
浴衣……有美の浴衣姿……。
でへっ……♡
俺、変態かも。
想像しただけで……イケそう。
青春してるよ、俺。
好きな女が語っていた理想の男になろうと努力したが結局、俺は俺でしかなかった件 こた神さま @kotakami
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