罪人
プロローグ
咲初 彼方side
俺は、夢で未来を見てしまう。
〜〜〜
「なあ、本当に行くのか?」
と俺は聞く。
今日はあの予知夢の日だ。
大事な妹の
でも、紬は
「しつこい、友達をほっとけって言うの?」
「だけど、紬は…」
俺はその先を言葉に出来なかった。
紬が死ぬなんて。
いきなり死ぬなんて言えない。
しかも、回避する未来が見えなかったんだ。
そんなの、止めるしかない。
「黙ってないでなんか言ったら?」
「私は友達の誕生日を早く祝いに行きたいの」
と、紬が言う。
「だけど…やっぱり別の日に出来ないのか?」
「無理、他だとみんな予定合わないし」
そうか…
「でも、紬も知ってるだろ?」
「俺の予知夢は…」
「うるさい!!この人殺しが!!!」
「…じゃあね」
「ちょっ、待て!!」
キキーッ
ドンッッッ
…家から飛び出して友達の家に向かった紬は、居眠り運転をしていた車に轢かれて死んでしまった。
母親や親戚たちは
「お前が止めていれば!」
「お前のせいだ」
「この殺人鬼!!」
「お前が予知夢を見なければあの人/《父親》は、紬は死ななかったのに!!」
「お前は死神だ!!」
「お前が殺した」
と俺を責めた。
母親や親戚たちは、俺が父さんの死を予言してから嫌われていた。
そして、母親は家を出て行って俺を捨てた。
誰も居なくなった家で俺は引きこもり、自分を責めていた。
〜〜〜
目が覚める。
俺は昔の夢を見ていたみたいだ。
「はあ、予知夢を見るから寝ないようにしていたのに」
「はあ…」
そうして、憂鬱な日々はまだ続く。
淡い夢を見ていた 来世 @riseu
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