第2話記憶の蓋は閉ざされたままで
(なんだこれ!? ちょっ、やばい意識が……)
『ようこそ空の屋上へ! 私はここの支配者! 我が名は……って大丈夫? おーい』
よくわからない何かに囲まれて俺の意識は薄れていく。
『ちょっと大丈夫? し、死んでる!? ……』
(あれ? ここは一体?)
彼は道路のど真ん中で目覚めると辺りをキョロキョロと見渡していた。
「おーい! 待ってよー」
「おそーい! 早く早く!」
彼が地面に倒れている横で二人の子供が元気よく通り過ぎてゆく。
男の子は細い木の棒を掲げた少女を追いかけてゆく。
彼はそれを見ると懐かしくなると同時に頭に激痛が走る。
(ぐぁ! なんだ、なんなんだこれは?)
彼の視界は歪み、次第に周りの声も消えてゆく。
(なんでこんな……嫌だ、こんな痛く苦しいことなら全部、全部消えろー!)
彼が必死に願うと突然周りは深い闇に包まれていく。
(全部、全部忘れてしまえば……)
彼が暗闇に包まれて消えそうになったその時、一筋の光が彼を包み込んだ。
『けいくん! けいくん! お願い起きてよ。 けん君!』
「はっ!」
気がつくと俺は屋上の扉の前で眠っていた。
(なんでこんな所に……)
考え出すと不思議なことは幾つかあったが、先生に頼まれていたことを思い出し、俺は綺麗に並べられていた旗をとって急いでみんなの元へと降りていった。
僕の忘れ物は屋上の美少女です。 リアム @120403
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