第4話 茶の香り漂う館にて
「おお、では参ろうか、花王爺!」
殷厲は微笑み、袖を振った。「さあ、戦場を清めようや!」
花王爺は片眉を吊り上げ言い返す、「ふむ、いいだろう、この俺を怖れよ!」
突如、正堂の柱が震え、梁から灰が舞う。
花王爺の手のひらには火が踊る、音もなく音を立てる。
「この一撃でお前を焼き尽くす、焼豚か、それとも灰塵になるか!」
殷厲は爆笑、「おや、俺は燻製か、料理の練習でもしたいのか?」
堂々たる空間は二人の気勢で満たされる。
王妃は困った表情で、そっと庭へ逃げる。
「これ以上壊されたら、修繕費が天を衝く!」
「それより小王子を助ける案を探れ!」
殷厲は呟く、「まあ、戦うのも面倒だ。」
花王爺に向き直り、ちょっとおどけて笑う。
「俺たち二人で相撲でも取らぬか?
力比べの後に酒を飲めば、喧嘩も消えるのだ!」
花王爺は呆れ顔、「相撲だと?貴様正気か!」
殷厲は笑顔で「正気だとも、力士風の殷厲だ!」
大臣たちは影から震えつつ見守る。
「国師が相撲?見たいが怖い。やめておこうか。」
そんな中、外から声が響く、「道長が来た!」
王妃が舞い戻り、「早く迎えよ!雨乞いを頼むのだ!」
殷厲と花王爺は顔を見合わせ、「おっと、客だな。」
「一時休戦だ、花王爺。面白い展開になりそうだぞ。」
門の外、白髪の道士が悠々と立つ。
その手には一本の竹杖と、背には瓢箪を担ぐ。
「雨を降らせよ?簡単だが、それより茶を一杯。」
殷厲と花王爺、ついでに王妃も顔をしかめる。
「この国は一体どうなるのだ?」
「道士も国師も、茶屋の亭主か?」
道士は笑顔で、「まずは話せ、争いの前に。」
「小王子のために動くのなら、まず仲良くせよ。」
かくして、殷厲と花王爺は仕方なく席を並べる。
「茶を飲みつつ、策を練るのも一興だな。」
この奇妙な場面に、大臣たちはただ息を飲む。
「皇帝はこれを知れば、どう思うのか。」
果たして、小王子の病はどうなるのか?
殷厲と花王爺の次なる喧嘩の行方は?
道士の法術は本物か、それとも幻か?
嵜白書の子供 mukko @tylee
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