記念特別SS:ただイチャつくだけのお姫様
PV数1,000越え記念SS:お姫様はイチャつきたい
『響谷くんとイチャイチャしたい。家行っていい?』
「随分とストレートな要求の仕方だことで。OK、いいよ」
…あれ、なんかこの会話ちょっと前にもした気がする。デジャヴってこういう事なんだな。
そんな事を考えながら、結華が家に来るのを待っていると、またスマホに電話が掛かってくる。今度は葵からだ。
「もしもし、どした?」
『わり響谷、諸事情あって今週は家帰れねぇわ』
「うぃ、りょーかい。あんまし無茶すんなよ、倒れられたら困るのは俺だかんな」
『こっちのセリフだってんだ。まあともかく、体調崩さずにしとけよ』
「はいはい、そんじゃぁな」
『おう、来週月曜には帰るから』
「わーった」
俺がそう返答すると、通話が切れる。
…大丈夫かなぁ。…まあ、大丈夫か。
■
結華に電話してから数分後、家のインターホンが鳴る。モニターに映ってるのが結華であることを確認して、家の鍵を開ける。
「いらっしゃいお、姫様」
「…むぅ、お姫様はやめて」
「はいはい、いらっしゃい結華」
「うん、お邪魔します」
玄関で靴を脱いだ結華がそのまま手洗い場に向かう。…結華、荷物ちょっと多かったし今日は泊まんのかな。
手を洗い終わった結華がリビングに来る。
「なんか飲み物とかいる?」
「いらない」
ソファから立ち上がろうとした俺を、結華がソファに押し倒す。
「捕まえた」
「…捕まった」
そして、そのまま結華が顔を近付けてきて、キスをする。
「…ねぇ響谷くん」
「ん?」
「…今日、泊って行ってもいい?」
「別に問題ないよ。っていうか、そのためにあの荷物持ってきたんでしょ?」
「うん、響谷くんなら許してくれるかなって」
「そっか」
■
そしてまあ夕飯までイチャついて、夕飯を食べ終えてまたイチャついて…もうそろそろ入浴するくらいの時間になった。
「響谷くん、一緒にお風呂入ろ」
「…え、何故?」
「…響谷くんは嫌?」
「嫌…じゃないけどさ…」
「じゃあ一緒に入ろ」
「嫌じゃないけど嫌だ」
「…どういう事?」
「理性が持たなさそうだから」
「それなら大丈夫、響谷くんならいつでもどこでも何されてもいいから」
そう言う問題じゃないんだよな…。
「とにかく、一緒には入らないよ」
「…むぅ」
「俺の精神衛生上よくないの」
「…分かった」
そんな残念そうな顔しないで…。
「…じゃあ」
「じゃあ?」
「じゃあ、一緒に寝て」
「分かったよ」
「やった」
結華が小さくガッツポーズをする。
「…それじゃ、先お風呂入ってきな」
「うん、分かった」
そう言って頷いた後、結華が風呂場の方へと向かう。
…あ、結華着替え持ってってないじゃん。
ソファから立ち上がって、結華の荷物から着替えを取り出して風呂場に向かう。
俺が脱衣所のドアに手を掛けようとした瞬間に、結華が先に内側からドアを開けた。
「「あ」」
一糸纏わぬ姿の結華と目が合って、思わず目を逸らす。
「…きゃ、えっち」
…こんな状況でもデジャヴを感じるのはなんでなんだろうか。…前は下着姿だったっけ。
って、そうじゃなくて。
「着替え、持ってきたから」
「うん、ありがとう。私も今取りに行こうとしてたところだったから」
「…その状態で?」
「…?うん」
「…えぇ…寒くないの?」
「…確かに、バスタオルくらいは巻けばよかったかも」
…まぁ…それくらいしてくれれば…いいのか?
「…一緒に入る?」
「だから入らないって」
「…こっち見て」
「無理…」
「なんで?」
「異性の裸は流石に見れない。…ましてや結華の綺麗な体は余計に」
一瞬視界に映っただけでも、結構記憶に残るものだ…。
「…私の体、綺麗?」
「…まぁ」
肌白いし、体のラインも綺麗だし…。…あとは…、まぁ…うん…。………。
「…っていうか、いい加減風呂入ったら?いつまでもそのままだと流石に寒いでしょ」
「…うん、そうする」
そう言った後、俺の頬にキスをした結華が脱衣所の扉を閉める。
「…はぁ~…」
…今この場に葵が居なくてよかったわ…。マジで…。
■
…響谷くんに、裸…見られちゃった…。嬉しいような…、恥ずかしいような…。
あのまま響谷くんを抱き締めても良かったけど…流石にそれはやめた。
あんまりやりすぎて響谷くんに嫌われるのは嫌だから。
「…それにしても…私の体…綺麗って言われちゃったな…」
…えへへ…。
前まで自分の体はそんなに好きじゃなかった。変な男たちが寄り付いて面倒だったから。
…けれど、響谷くんが綺麗だって褒めてくれた。だから嬉しいし、少し好きになった。
そう言えば、響谷くんは私の着替え持ってきてくれたけど、私の下着も持ってきてくれたのかな…?
あとで確認しておこうっと。
それから暫く湯舟に浸かって、浴室を出る。ちなみに、ちゃんと響谷くんは下着を持ってきてくれていた。
パジャマに着替えて、リビングに向かう。
「お風呂、上がったよ」
ソファに座っている響谷くんに向かってそう言う。けど、返答はなかった。
正面に回ると、響谷くんはソファに座って眠っていた。
「…響谷くん、早く起きないとキスするよ」
…起きない。…なら…。
私は響谷くんの頬にキスをする。…でも響谷くんは一向に起きる気配を見せない。やっぱり、熟睡しているようだ。
…もう少しだけ、響谷くん寝顔を眺めていようっと。
――――――――
作者's つぶやき:普通の特別編SSを書こうとしたらPV数1,000越えてたのでこっちを先に書きました。明日は普通の特別編SSを書きます。
…して、相変わらずイチャイチャと…どこからともなく『爆発しろ』と聞こえてきそうなイチャイチャ具合ですね。
…なんて言えばいいんでしょうか、ギシカノよりもこっちの方がより…ディープって言えばいいんでしょうかね、そんなイチャつき方なのではないかと思います。
――――――――
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クラスの姫(通称)は俺にだけ微笑む ますぱにーず/ユース @uminori00
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