第18話 お疲れ様会




お疲れ様会

それは、王都に王国学園の入試、王都の職員採用試験を受験した者。指導した者が美味しい食事と飲み物を楽しむ会。

会場は王都にある公爵家のお屋敷。

王都のお屋敷で働く料理人や使用人のみんなが腕によりをかけて作ってくれた料理をみんなで食べるのです。

そして引率した大人の人にはお酒もふるわれます。


どどどーーーん!

給士担当が、テーブルにお食事を並べました!


「「「おおおお!!!」」」


受験者と引率者が料理を見て大きな歓声が上がりました。


そして、みんなそれぞれワイワイとお料理に舌鼓を打っています。

わたしとお母様が試作したお料理も出し、みんなの反応を確かめます。

 子供達は、お肉やたまごを調理したお料理が好みのようです。

大人達、特にお酒が好きな方は、海の幸のお料理がお好みのようです。

一人を抜かして・・・

お母様は、屋台のオークの串焼きをあれほど食べたのに、今もむしゃむしゃとオーク肉を食べています。


わたしは、そんなお母様をみて、両肩をあげて思いました。

(もう、お母様ったら・・・。きっとみんなはこんなお母様をみても知らない振りをしてくれる。皆様本当にありがとう)


お母様はそんな娘の気持ちを知ってか知らずか


「エルーシアちゃん。ここに美味しいオーク肉があるわ。パン粉をつけて油で揚げているのよ。とても美味しいんだから!」


お口のまわりにパン粉をつけて、わたしに話しかけてきます。


それを見た、メリアは

「奥様 口 パン粉 沢山 これで 拭く」

と言ってナプキンを渡しました。


お母様は一瞬「はっ!」という顔をしていましたが、口のまわりを拭くと今度はオーク肉のステーキを食べ始めました。

(また食べるんかい!)

わたしはそんなお母様から離れて、お祖父様とお祖母様のところへ移動しました。


「じぃじ。ばぁば。今日はこんなに素敵な食事会をしてくれてありがとう!」

わたしは感謝の気持ちを言葉にしました。


「「ほほほ。エルーシアちゃん。このくらい大丈夫じゃ。逆に試験の終わった昨夜に出来なくてもうしわけない」」


「いいえ。今日の王様との打ち合わせのためですよね。子供のわたしでもわかります」


「そうか。ここの広い孫娘に感謝じゃな。

ヒーナ商会をはじめ、多くの商会が儲けているからな。領民に還元しなければ公爵家のなにはじることになるからな。

ところで、エルーシアちゃん。男の子達がエルーシアちゃんの後ろに並んでいるのだが相手にしなくてもいいのか?」


「学校行事のお食事会でも、みんなこうやってならんでわたしに感謝の気持ちを伝えてくるのです。わたしだけでは、対応できないのでメリアも対応してくれています」

(わたしに男子が並ぶのがそんなに珍しいことなのかな?)お祖父様とお祖母様お二人ともきょとんとしています。


「そうか、そうか、あははは」

「そうなのね。おほほほほ」


お祖父様とお祖母様は私に温かい目を向けて笑いはじめました。

わたし、何かしたかしら?


いつもは、串焼きなどの食べ物をわたしに渡してくれていましたが、今日は沢山のお花をもらいました。

(わたしの代わりにメリアが受け取ってくれました)


食いしん坊から卒業かな?


わたし達は、あと一泊してから、領地に帰ります。

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