第2話・オ●ン●ンのゲルちゃん
才演が百均で売っているような、プラスチック容器を押し入れから持ち出してきて愛夢に見せた。
底が浅い容器の中には、さまざまな色と形の男のシンボルが海洋生物のように並んで揺れていた。
愛夢の顔が硬直する、才演の説明がはじまる。
「ゲルちゃんはね、最近発見された新種の生物なんだ……いろいろな形態に擬態するんだ」
才演が付属品がついた男のシンボルを一本、容器の中からつまみ上げる。
「ゲルちゃんに、いろいろな形のオ●ン●ン画像を見せて記憶させて変身した中から、愛夢に似合いそうなオ●ン●ンを選んでボクが愛夢の体に貼り付けて」
「何度も、オ●ン●ンなんて言うな! 貼り付けたって……引っ張れば取れるの?」
「うん、強く引っ張ればね」
愛夢は、男のシンボル〈オ●ン●ン〉を、怖々つかむと引っ張った。
ヌチャァァと、糸を引いたようにオ●ン●ンが、愛夢の股間から離れる。
オ●ン●ンが貼り付いていた箇所の体毛は溶けて、円形の無毛地帯になっていた。
愛夢が引っ張り離したオ●ン●ンを、元の位置にもどす。
「外さないの?」
「なんか、怖くなった…で、この後、あたしをどうするつもり?」
「別になにも、愛夢がその体で、学校に行ったらどうするか観察したいだけだから」
「はぁぁぁっ? そんんな興味本位だけで、あたしの股間に男のシンボルを貼り付けたの!」
「うん、ゲルちゃんからは排尿もできるよ。付属品の男のサブの固まりはギミックだけれど」
その時、階段の下から才演の母親の声が聞こえてきた。
「才演、愛夢ちゃんにも夕食食べていってもらいなさい家の方には、連絡してあるから……しばらくは、うちから通学すればいいから」
◇◇◇◇◇◇
松戸家の食堂で着衣して夕食を食べている愛夢に、才演の父親が言った。
「眠らされた時の強力な麻酔薬はどうだった? わたしと母さんが才演のために君を拉致するために使ったんだが……どうだった?」
「どうだったと、聞かれても……犯罪です」
才演が子供の頃、誕生日プレゼント用にマッドな祖父が作った姉が言った。
「あたしもオ●ン●ンが付いた女の子が、学校でどんな反応をするのか興味あるから、なにかあったら教えて」
◇◇◇◇◇◇
登校した愛夢は休み時間、トイレへと向かった。
立ち止まった愛夢は後ろからついてくる才演を、蔑んだ目で見て言った。
「もしかして、あたしが男と女のどっちのトイレに入るのか観察しているの?」
「うん」
「バッカじゃないの! 洋式の便座なら座ってすれば、男も女も同じでしょう」
そう言って、愛夢は女子トイレに入っていた。
◇◇◇◇◇◇
愛夢が普通に女子トイレで用を済ませているのと、愛夢の本当の器官ではない変身生物のゲルちゃんでは。
愛夢が女子生徒と談笑していても。
生理学的にあまり期待ができるような、イベントも起こりそうになかったので愛夢に興味を失った才演は自分の部屋に愛夢を呼び出して、ゲルちゃんのオ●ン●ンを取ることに決めた。
「裸になって、ベットで仰向けになって……オ●ン●ン引っ張って外すから」
言われるままに、素っ裸になってベットに仰向けで横たわった愛夢の股間に手を伸ばした才演は、シリコン手袋をした手で男のシンボルを引っ張り取った。
ヌチュュゥと底から糸を引いたゲルちゃんのオ●ン●ンは、キュポンと音を立てて愛夢の体から外れる。
円形に脱毛した、数秒前までゲルちゃんが貼り付いていた箇所を、ウェットティッシュで拭きながら愛夢が言った。
「考えてみたら、素っ裸になる必要なかったんじゃない?」
愛夢が、ベット脇の丸テーブルの上で、プルプル震えている色黒ゲルちゃんを見て言った。
「そのゲルちゃん、どうなるの?」
「他のゲルと混ぜて、別のモノを作る時に利用する」
「だったら、あたしにちょうだい。大切にするから」
「別にいいけれど……飼うの?」
◇◇◇◇◇◇
愛夢は自分の家に持ち帰ったオ●ン●ンを、自分の部屋で飼うことにした。
テーブルの上で小皿に入ったミルクを飲んでいる、オ●ン●ンを目を細めて眺める愛夢。
「オ●ン●ンって、よく見ると可愛い♫」
ミルクを飲み終わったオ●ン●ンは、愛夢の体にすり寄って甘える。
愛夢は、短期間だったが自分の体の一部になって体温を感じていた分、オ●ン●ンに愛着と愛しを感じていた。
「なに、またあたしの股間にくっつきたいの……しょうがないなぁ」
愛夢はパンツを下げると、オ●ン●ンのゲルちゃんを、押し付けてくっつける。
「そこが、一番ゲルちゃんが、落ち着く場所なのね」
パンツを
~おわり~
ボクにも作れた……女の子を【ヘルマプロディトス】〔両性具有〕にしちゃった件♫ 楠本恵士 @67853-_-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます