第17話


  おちょこちょいの君は またお弁当を忘れた

  売店いく?

  僕のを半分こする?

  それとも みんなから一品づつもらって歩く?

  へなちょこ天使の君と 退屈しない学園生活

  ほら また靴紐ほどけてるよ

  君の屈託のない笑顔が好きだ 変わらないでいてね

  

 「僕らの歌って、こんなのばかりだな」とロンが言った。「もっとかっこいい歌詞。ガラク先生に書いてもらおうよ」とライ。「僕はこの曲好きだよ。楽しい曲じゃないか」シドが笑って,「僕らに合っているよ」「でも、ラナン先輩みたいに恋歌歌いたいな」とロンが言ったので、「君が恋の歌?ガラク先生笑っちゃって、書けないんじゃない」ライが言った。


 校庭の側の並木道を歩いていると、進行方向のずっと先から、ロンに呼びかける声がした。「ヒヨコ先ぱ~い」「やあ、新入生のショリ君」

 ショリは大きく手を振って、友達と教室へ向かって行った

「あのさ、僕のこと後輩たちがヒヨコ先輩って呼ぶんだ」とロンが言った。

「ああ、俺も。ヒヨコ先輩」ライがうなずいた。

「僕も。1人でいる時にだよ、名前読んでくれないの」三人で練習の合間に話した。


「おまえたち、今年もヒヨコ組な」と部長のルオが言った、

「えっ、ええ~っ」ロン。ライ、シドが絶句した。

「せっかく、後輩たちがヒヨコ先輩、ヒヨコ先輩って、なついてくれているんだ、お前たち、後輩たちから、一番人気だぞ、ヒヨコのイメージが強すぎたんだな」

「それはそうですけど、ええ~、今年もヒヨコ組、ヒヨコ組って一年生から、毎年選ばれるんじゃないんですか?」ライが言った。

「そうだけど。例外もあるんだよ、五年に一回くらい、あるらいしんだ。三年生まで、ヒヨコ組だったこともあったらしいぞ」とルオが笑った。「卒業までは嫌です。ウグイス組つぎたいんで」とシドが言った。「君たちヒヨコ組は部内の人気者だからな、実力に関係なく」ルオがうなずきながら言った。「ええーっ、かっこいい名前にしたかったのに」とロン、ライ、シドはしぶしぶ了解した。


 夕方、食堂で、ロン、ライ、シド、が食事しながら、メロウに愚痴をこぼした、「聞いてくれよ、僕たち、今年も、ヒヨコ組なんだよ」とシドが言った。

「ヒヨコ先輩たち、今年はどんな名前になるのかなって、ラナン兄さんが言ってたんです、今年もヒヨコ組ですか?」

「スズメ組にしようかって思っていたんだ、最近までルオ先輩たちが使っていた名前」とロンが言った。

「ヒヨコ組、いいんじゃない。ロンたちに合っているよ、かわいいし、親しみやすいし、一年生にまざっても違和感ないし」とアラオルが笑った。「ロンやシドやライは、一年のときから、にぎやかで、楽しそうで、いつも一生懸命で、見ていてこっちも楽しかったよ」とギルディも夕飯を食べながら、三人を励ました。

 ミオリが学生たちのやり取りをみながら、微笑んだ。「ラナンはヒヨコ君たちの事をとてもかわいがっているんだよ。あの子たちはやる気は人一倍あるんだって言っていた」「ラナン先輩が……うれしいです」とロンが言った。

「俺たち頑張ろう」とライが言った。ロンとシドがうなずいた。




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