むべんべんラジオ

みーちゃん

ある女の子の話

私の名前はゆき。

今日の学校の帰り道のこと。

「また森のところ通るの嫌だなぁ」

学校の帰り道には薄暗い大きな森がある。


そういえば今日、学校の同じクラスの女の子が

「むべんべんラジオ知ってる?」

と聞いてきた。

私は「知らない」と言った。

その女の子は、

「むべんべんラジオ。今日聞いてみて。」

と言っていた。


私は家に帰って、むべんべんラジオを聞いた。

「こんにちは、僕はべんべん。今日も、みんなにお題を出すよ。」


「明日の帰り道は遠回りすること。」


「べんべん」が楽しそうに「お題」を出しただけで、

放送は突然終わってしまった。

―変なラジオ。


そして、次の朝。


「遠回りをして帰るんだったよね」


昨日のラジオをよく思い返してみた。

私は何故か怖くなって、いつもの道で帰ることにした。

―あの薄暗い大きな森を通る。



学校近くの森で行方不明者が出た。

居なくなったのは私の友達。

「むべんべんラジオ」を教えてあげた子だ。



【終】

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むべんべんラジオ みーちゃん @Unicorn_miki

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