第70話
《貞操逆転世界では、三十五歳を超えると出来なくなるらしい》とニュースで流れている。八割程度の男性が三十歳を超えるとセックスをするための機能が低下して、三十五歳頃には、完全に出来なくなるそうだ。
私は三十六歳を迎えようとしている。
貞操逆転世界では、男性が三十五歳を超えると、子供を作ることができなくなってしまうため、女性たちからの関心が薄れるという事実があった。
しかし、私には三十五歳に出会った素晴らしい四人の女性がいた。
白鳥結奈さん、花井杏樹さん、安西詩織さん、青羽美玲さん。
私は彼女たちのことを真剣に受け入れ、それぞれの関係を大切にしていた。
自分から彼女たちに別れを告げるつもりはないが、彼女たちす共に過ごす日々がかけがえのない日々だと実感している。
私と四人の女性たちの生活は、賑やかで、愛情に溢れたものだと思う。
それぞれが異なる魅力を持ち、異なる役割を果たしていた。
自分がいつかは男性としての機能を失うかもしれないという恐怖はあるものの、彼女の存在がその不安を和らげてくれた。
ユナさんは私に対して強い独占欲を持っています。
時間があれば、会いにきて抱きついてきて離れません。
いつも私のそばにいたいと願っているようですが、巨大な一族の長としての務めを持っているので、忙しくてたまにしか私に会いに来れません。
ただ、私のことを誰よりも大切に思ってくれているのは伝わってきます。
「オジ様、三十六歳、おめでとうございます! いつまでも変わらずあなたを愛しています! むしろ、年齢を重ねるごとにオジ様のことをもっと好きになってしまうほどです。渋さって、より深い魅力があると思うの」
ユナさんの言葉に、私は少しずつ自信を取り戻すことができます。
年齢による不安が薄れていくのを感じます。
アンジュさんは素直で天然な性格で、私に対して常に尊敬と愛情を抱いてくれます。
撮影や編集などの手伝いで一番一緒にいる時間が長く、身の回りの世話までしてくれるので、申し訳なく思っています。
「ハジメさん、三十六歳、おめでとうございます! 私にとってあなたはずっと素敵な人です。これからも、私たちの時間を大切にしていきましょうね」
アンジュさんの純粋な言葉は、私の心を温かく包み込み、癒しを与えてくれています。
シオリさんは、ユナさんの護衛兼秘書としてこれまでは接していましたが、内心では私に対して特別な感情を抱いてくれていました。
彼女はユナさんに遠慮して、自分の気持ちをどう伝えるべきか悩んでいたようです。最終的には私に対して真摯な思いを伝えることを決意してくれました。
「ハジメさん、三十六歳、おめでとうございます。私にとって、あなたは大切な存在です。お嬢様の護衛としてだけでなく、私は一人の女性として、あなたを愛しています」
シオリさんの告白は、大きな励みとなっています。
ミレイさんはクールな外見とは裏腹に、私の変化を敏感に感じ取ってくれる女性です。一番長く付き合って、ずっと私のことを支え続けてくれていました。
「鈴木さん、三十六歳おめでとうございます。これからもずっと、私があなたを支えます」
ミレイさんは政府の人間であり、私のことを含めて多くの便宜をこれまで行ってくれていました。
本来であれば、三十歳を超えた時点で男性としては、魅力がなくなって相手にされないそうです。ですが、私には彼女たちのような四人の素晴らしい女性と出会うことができました。
四人の女性たちとの関係を通じて、二度目の春というのは何歳になっても訪れるものだと実感してしまいます。
年齢がただの数字に過ぎないことを理解して、それぞれの女性たちとの時間を大切にしながら、新しい未来を見据えることができるようになりました。
「貞操逆転世界では、三十五歳を超えると出来なくなるらしいですが。私にとっては、むしろここからが本当の始まりですね。まぁ転生者なので関係ないですけど」
四人の女性たちとの絆をさらに深めていくことを三十六歳の誕生日で誓いました。
そして、ユナさんが大学に行って二十歳を迎えた誕生日で、私は四人と結婚を約束しています。
貞操逆転世界では、通い婚が当たり前なのだそうです。
一緒に暮らすのではなく、複数の奥さんを旦那さんが受け入れる。
彼女たちに対して、心の癒しであり、支えになれる存在として、これからも励んでいきたいと思っています。
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あとがき
どうも作者のイコです。
本当にこれにて完結ということで、タイトル回収&キャッチコピーも回収してみました。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
カクヨムネクストの作品を現在は一番力を入れて執筆しておりますので、どうぞそちらも読んでいただければ幸いです。
これからも執筆業を頑張りますので、応援をよろしくお願いします!
貞操逆転世界では、三十五歳を超えると出来なくなるらしい。 イコ @fhail
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