第2話 退職

 数日経ったったある日、鋼がいつものように膨大な量の仕事をこなしていると


 「おい、五百蔵ちょっとこっちにこい。」


 と権田ごんだ部長に呼ばれ、何かあったのだろうかと思いつつも向かうと突然、


 「五百蔵、お前クビな。」

 

 と言われ、


 「な、なぜです?」


 若干動揺しながらも聞くと、権田部長は平然と言った。


 「なぜって、上が決めたからだよ。俺にはどうすることもできん。まぁ、退職金は出るそうだからそこは安心しろ。」


 「いや、退職金が出るのは分かりましたけど、理由くらいは聞かせてほしいんですが。」


 あまりにも平然と言うので、ついそう言うと権田部長は


 「そうは言ってもなぁ、俺も詳しい話は聞いてないんだよ。それに、退職金もらってこの会社から抜けられるんだから良かったと思えばいいじゃねぇか。俺は部長になっちまったせいで、辞められなくなったからお前さんがうらやましいよ。」


 と愚痴交じりに言った。それを聞いて鋼は


 「はぁ、分かりましたよ。退職金があるうちに次の仕事を探すことにしますよ。」


 少しため息を吐きつつそう言った。


―—―――—―それから時は過ぎ、退職後。自宅にて。


 「さて、どうするか。退職金は100万円あるからしばらくは大丈夫だけど、仕事を探さないわけにもいかんよなぁ......」


 鋼はそうぼやきながらも、今後のことについて考えていた。


  






 

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(仮題)祝福の鐘 颯鬼/Satsuki @sou15331

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