おま景 主要キャラクター紹介と用語事典(随時更新)

※キャラクター編※

カルロス・ケイジ・カナエ=イ=カトー

ニホン系 黒髪 中肉中背 46歳 男性メイル・ジェンダー

 新世界旅行社の現・社長。(地の文の)一人称は『自分』だが、お客様相手には丁寧に喋ろうとするので会話文では『私』になることがある。

 大学から修士課程にかけて理工学部で『異世界転移に関する工学的研究』に参加した。父の死に伴い研究の道を諦め、新世界旅行社を嗣ぐ。その後『新世界旅行社を異世界への団体旅行会社にする』という大目標を建て、航界機の大型化・実用化に投資。何回も失敗しながら『史上初の異世界団体旅行』を実現に導いた――という話はKAC2024の時にしたつもり。要するによく言えば起業家、悪く言えば山師だ。うん。

 かつてのニホン戸籍名的に表記すると『鼎カルロス慶二加藤』、『鼎慶二かなえけいじ』と言ったところ。多分親父の代でブラジル=ニホン系の奥様のカトーさんと結婚したのだと思われ。


※用語編※

航界機こうかいき

 Worldhopper。

 時空場を連続的に発生させることによって異世界への転移を頻回試行し、異世界転移を実現させる装置。あくまでも『別の宇宙の同じ時間に相当する、地球に相当する場所、の同じ地点』に出現する能力しか有しないので、これ自体はタイムマシンでも無ければ遠距離瞬間移動装置でもない。

 世界転移前後における移動の便宜上飛行能力や走行能力を備えるものもあるが、基本的にそういう空力学上の性能は世界転移には有利にも不利にも働かない。

 慣例上、一人乗りのものは特に転移服てんいふく(Hopping Suits)と呼ばれる。


基軸世界きじくせかい

 Basal Axis World。単にthe Basal Axisとも。

 いわゆる『異世界に対するこの世界』。『世界(the World)』『我らの世界(Our World)』といった言い方が、異世界との『往来』が進むにつれて忌避されるようになってから造られた、『より政治的に正しい』表現。

 なお、『この世界』とは言うものの、読者諸君にとってのこの世界よりは数百年ほどの隔たりがあるため、技術的・文化的にはかなり変化している。近傍世界群にある世界の方が、読者諸君のこの世界(21世紀)の現状には近い場合すらある。


異世界いせかい

 Another Worlds。単にAnotherlandsとも。

 基軸世界以外の『世界』の総称。現に『交わる』手段が確立したためか、交わることがないことを連想させる平行世界へいこうせかい(Parallel Worlds)という言い方は早々に廃れた。


近傍世界群きんぼうせかいぐん

 Neighbor Worlds。単にNeighborlandsとも。

 異世界のうち、比較的基軸世界と『近い』歴史を歩んできた世界の総称。ざっくり言うと、『人類がホモ・サピエンスに相当する種のみで(エルフだのドワーフだののような「人種の相違では収まらない」ほどの他種人類が存在せず)』『ホモ・サピエンスに相当する人類が文明を有しており、かつそれが地球の支配的種族である』世界の総称。

 概ね『人類の歴史のif、の寄せ集め』のような世界群。世界の選び方次第で『タイムトラベルであるかのように、過去のある時期の基軸世界のような世界に行く』ことも理論上は可能。もっとも、現実には『置きにくいif』もあるのだ、ということは第二景で語られた通り。


遠方世界群えんぽうせかいぐん

 Foreign Worlds。単にForeignlandsとも。

 近傍世界群の対義語、基軸世界とは比較的掛け離れた異世界の総称。人類が複数種いたり、人類が居なかったり、人類以外の生き物が文明を確立してたり、生き物が皆無だったり、果ては地球が其処そこに無かったり。


ファンタジー世界群

 Fantasical Worlds。単にFantasiesとも。

 遠方世界群のうち、「いわゆる剣と魔法の世界」に類するものの便宜的な総称。

 なんで『基軸世界の人間がかつて妄想したような剣と魔法の世界』が存在して、しかもそれが複数あるのか、という原理的な部分には諸説あって定見は無い。大別すると「そもそも基軸世界の人間がファンタジー世界群を『幻視』して書いたのがファンタジー文学だよ」と「基軸世界の人間にとってファンタジー文学がメジャーだからこそ、『無意識に』ファンタジー世界群の観測率・転移成功率が高まってるだけだよ」という二派の仮説がある。


メガネ

 Smartglass。単にGlass、Lensとも。

 読者諸君の時代げんだいのVR機器がもっと小型軽量になった結果、だいたい読者諸君の時代における眼鏡と同等の重量・サイズになったもの。AIからの助言を受けたり、AR映像を実景に重ね合わせたり、動画やデジタル書籍をホログラフとして閲覧したりできる。ついでに実景に対する視力補正もできる。よほどの事情(例えば、先天的に視力に障害があるためメガネによらずインプラント装置で視力とAR能を後天的に追加している、信教上の信念によりAIを避けている等)があるひとを除き、基軸世界においては一人1台の割で普及しており、その意味においては「本作の人間キャラクターはほぼ全員メガネキャラである」。

 これが普及しすぎた結果、「視力を光学的に補正するための眼鏡」の存在は基軸世界においては既に過去のものになっている、というのがKAC20247の話。

 勿論脳への侵襲手術を伴うインプラント設置を行えばより高度な「脳直結の情報処理」を行うことも可能なのだが、メガネが安価かつ無侵襲のAR機器として普及し過ぎているため、基軸世界においては余り好まれない。

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新世界旅行社31景 歩弥丸 @hmmr03

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